梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

クリスマス「禁止令」

2014-12-26 12:01:07 | 日記
   中国浙江省温州市の教育部門が、市内の小中学校と幼稚園に、クリスマスに関するイベントを禁止する通知を出していたという報道がありました。趣旨は、学校は子供に中国の伝統的行事の意味を教えるべきだ、とのことです。
   
   これを読んで私は、(申し訳ありませんが)我が意を得たり!という気がしました。中国では歴史的に、特定の宗教団体が力をつけると、必ず時の王朝が亡ぶきっかけとなる大乱が起きていたから先手を打った、というのが行政側の本当の理由だとは思います。この地域では最近キリスト教信者の数が増え続けているので、当局が早目に手を打ったということでしょう。法輪功という宗教団体が弾圧されたのと同じ理由です。

   もっとも私が我が意を得たり、と思ったのは、自分自身の体験に由来するものです。小学生時代後半、担任は若い独身のクリスチャンの女性でした。こう聞いただけである種の臭いが感じられると思いますが、まさにその通りでした。

   ある日、とある男子生徒の言動に腹を立てた彼女は、そいつの顔にびんたをくれました。するとそいつも負けずにびんたをやり返したのです。びんたをした時点で現在なら教育庁から処分の対象となりますが、昔の事ですから当たり前の出来事でした。しかしやり返された直後の先生のお言葉に、私は呆れかえってしまったのです。

   「聖書にも、右のほほを打たれたら左のほほを差し出せという言葉があります・・・・。」

   私は幼心に、ここはそういうことじゃないだろう、と思いました。そして、そんな先生が必ず開催したのが、クラス全員参加の「クリスマス会」でした。厳密に言えばこれは特定の宗教に関わる行事を生徒たちに強制するものです。憲法違反です。当時は子供ですから、憲法違反までは思いつきませんでしたが、私はこの「クリスマス会」がとても嫌でした。

   まさか讃美歌を歌わせられたりはしなかったのですが、全員が輪になって座り、歌を歌いながらプレゼントを回していきます。歌が終わった瞬間自分の手の中にある品物が自分が受け取るプレゼントという訳です。当然当たり外れはあります。

   先生はとても大事な問題を見過ごしていました。プレゼント交換は、不用品交換会ではないのです。うまい具合に適当な品物が新品で家にない限り、どこかでそれらしい物を事前に買い、きれいにラッピングしておかなければなりません。残念ながら私の小遣いは当時日割りで10円ずつ。母親は、叔母が私たちにとくれた小遣いですら家計に回してしまい私たちの手には入らない、そんな生活だったのです。

   しかし下には下があります。クラスメートのA君の家は貧しい父子家庭でした。まだ担任が男の先生だった頃、父親が先生のところに借金の申し入れに来たこともあったそうです。何回か私も彼の家に行ったことがありますが、部屋の中には文字通り、何一つ物がありませんでした。見事なほど殺風景な景色でした。随分前に書いたことがありますが、当時A君は食べるものにも事欠き、毎晩農家をしているクラスメートの家で夕食をごちそうになっていたのです。

   先生は、毎年一回、家庭訪問をします。失礼ながらこの女性担任は、家庭訪問で一体何を見てきたのでしょう。前担任は男性でしたが、新卒でした。新卒の教師が把握できていたことを何故に彼女は把握できていなかったのか。また、他にも一目でわかる貧しい子供たちが何人もいたのですが・・・。一間しかないのに子供が10人もいたり・・・・。

   そんなことを思い出すと、行政側の本音は別として、温州市の今回の処置には、私はもろ手をあげて賛成してしまいます。まあ、協会の十字架を違法建築とみなして撤去してしまったのは、少々行き過ぎだとは思いますが。
  

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