金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

71:当原珠樹 『かみさまにあいたい』

2019-05-21 21:15:59 | 19 本の感想
当原珠樹『かみさまにあいたい』(ポプラ社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

大好きだったおばあちゃんに、うそをついたまま
永遠の別れを迎えてしまった雄一。
ひょんなことから、同級生の竜也といっしょに、
「神さま」との交信を試みるが……。

心の傷を抱えた少年たちのひみつの友情と成長の物語。

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今年度の読書感想文コンクール(小学校中学年)の課題図書。

クラスの問題児がオカルトにはまるというキャラ設定の不自然さ
(まあ、母を求める気持ちという土壌はあるのだけども)だったり、
「身近な人の死」「母子関係」「友情」等、
ひとつひとつの要素が深堀りされずに散漫になっていたりで
正直なところ、個人的には物足りない。
タイトルやあらすじから想像するほどウェットな話ではなく、
表面的なところをさらさら~っと流れていく感じ。
だけど、散漫になっているがゆえにフックは多いから、
こっちのほうが書きやすいのかな~。
現在日本の小学生が主人公というのも、とっつきやすいだろうし。

・身近な人の死を経験している
・お母さんが働いている
・親しくなかった子と、あるきっかけで親しくなった
・願いごとがある
・身近に認知症の人がいる
・登場人物に似た子が周りにいる

フックとしてはこのあたり?

キャラクターも立っているので、
ひっかかるフックがなくても
それぞれに人物についての感想は出てきそう。

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70:ヘレン・ピータース 『子ぶたのトリュフ』

2019-05-21 21:01:44 | 19 本の感想
ヘレン・ピータース『子ぶたのトリュフ』(さえら書房)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

お母さんぶたのおっぱいもすえなかった赤ちゃんぶたは、
ジャスミンのけんめいな世話で命をとりとめる。
そしてあらしの夜、かしこい子ぶたに成長したトリュフは、
行方不明になったモルモットを、においをたよりに追いかける。

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今年度の読書感想文コンクール(小学校中学年)の課題図書。

自力で生きられそうもなかったぶたの赤ちゃんを
主人公の少女・ジャスミンが農場からさらってきて
懸命に助けようとし、ぶたの特性を活かして
警察犬のように育て、
結果、努力が実って困難を乗り越えるというお話。
悪い人が出てこないし、主人公もその家族も動物愛にあふれていて、
ハートウォーミング。
そして終盤に小さな事件が起こってそれを乗り越えるという
カタルシスも用意されている。

個人的には農場や獣医の仕事の一端を垣間見ることができて
興味深かった。

ただ、地味なんだよな~。
わかりやすいフックがないので、
「書くことがない」という子も出てきそう。
外国の物語であることも、一部の子にはハードルになりそう。

・動物好き
・ペットを飼っている
・獣医等、動物に関係する仕事に就きたい
・将来やりたい仕事がある

こういう子にはいいかもしれない。


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