小川糸『喋々喃々』(ポプラ社)
★★★☆☆3.5
【Amazonの内容紹介】
東京・谷中でアンティークきもの店「ひめまつ屋」を
営む栞(しおり)。
きものを求めるお客ばかりでなく、ご近所さんも
ふらりと訪れては腰を落ち着ける、小さなこの店に、
ある日、父とそっくりの声をした男性客がやってくる。
その人は、栞の心のなかで次第に存在感を増していき――
人を大切に思う気持ち、日々の細やかな暮らしが、
東京・下町の季節の移ろいとともに描き出される、
きらめくような物語。
谷中・根津・千駄木近辺に実在するお店や場所も多数登場し、
街歩き気分も楽しめる作品。
『食堂かたつむり』で鮮烈なデビューを果たした小川糸の第二作。
【喋々喃々(ちょうちょうなんなん)】
男女がうちとけて小声で楽しげに語りあう様子。
*********************************************
アンティーク着物に谷中、おいしいもの、スローライフ、
と女子受け要素を徹底して詰め込んでいる印象。
もし計算でやっているならプロフェッショナルだと思うし、
計算でないなら天性の「女子」だな……と感嘆。
どう考えても生計は立てられないだろう、という現実感のなさは
『食堂かたつむり』と同じなんだけど、前作にあった気持ち悪さが
すっかりなりをひそめていて、安心して読めた。
季節の移ろいや暮らしぶりがとてもいいムードを作り上げている。
ひとつひとつのエピソードがばらばらな印象で
あまりまとまりを感じないのだけど、
『ツバキ文具店』(今確認したらレビュー書いてなかったが、既読)の原型に
なったんだろうな……というキャラクターもいて興味深い。
浮き立つ恋心の描写が鮮やか。
でも結局、不倫だしな~……と嫌悪感を感じる人も多そう。
そして不倫ものは、やっぱり後半からヒロインが鬱屈をためていくのね~。
わたしは「不倫だから」という理由で物語が嫌になることはないけど、
結婚しているのに他の女性と関係を持つ男性を
「優しい、誠実」とは思わない。
★★★☆☆3.5
【Amazonの内容紹介】
東京・谷中でアンティークきもの店「ひめまつ屋」を
営む栞(しおり)。
きものを求めるお客ばかりでなく、ご近所さんも
ふらりと訪れては腰を落ち着ける、小さなこの店に、
ある日、父とそっくりの声をした男性客がやってくる。
その人は、栞の心のなかで次第に存在感を増していき――
人を大切に思う気持ち、日々の細やかな暮らしが、
東京・下町の季節の移ろいとともに描き出される、
きらめくような物語。
谷中・根津・千駄木近辺に実在するお店や場所も多数登場し、
街歩き気分も楽しめる作品。
『食堂かたつむり』で鮮烈なデビューを果たした小川糸の第二作。
【喋々喃々(ちょうちょうなんなん)】
男女がうちとけて小声で楽しげに語りあう様子。
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アンティーク着物に谷中、おいしいもの、スローライフ、
と女子受け要素を徹底して詰め込んでいる印象。
もし計算でやっているならプロフェッショナルだと思うし、
計算でないなら天性の「女子」だな……と感嘆。
どう考えても生計は立てられないだろう、という現実感のなさは
『食堂かたつむり』と同じなんだけど、前作にあった気持ち悪さが
すっかりなりをひそめていて、安心して読めた。
季節の移ろいや暮らしぶりがとてもいいムードを作り上げている。
ひとつひとつのエピソードがばらばらな印象で
あまりまとまりを感じないのだけど、
『ツバキ文具店』(今確認したらレビュー書いてなかったが、既読)の原型に
なったんだろうな……というキャラクターもいて興味深い。
浮き立つ恋心の描写が鮮やか。
でも結局、不倫だしな~……と嫌悪感を感じる人も多そう。
そして不倫ものは、やっぱり後半からヒロインが鬱屈をためていくのね~。
わたしは「不倫だから」という理由で物語が嫌になることはないけど、
結婚しているのに他の女性と関係を持つ男性を
「優しい、誠実」とは思わない。