旧市街の南東の門から入ってすぐ通りの向こうに高い尖塔が見える。ここがこの町の中心の市庁舎の塔でこの町で道に迷ったとしてもすぐに目に付く。
通りの出店の売り子は皆中世の服装をしていて、急にタイムスリップしたような気持ちになる。それにしてはヨーロッパ諸国からの観光客が多すぎるけど。
この市庁舎の広場には日曜日だったからかそれとも毎日なのか,辺り一体に出店が並び、お土産にが事欠かない。エストニアの名産品はリンシードを採った後の茎(フラックス)から作られる麻布でテーブルクロスや、ナプキン、セーター、ジャケットなどが売られていた。
又手作業で造られたもの、木工品や、手編みのセーター、手袋などがいたるところに見られる。
観光案内所の近くには鉄工作業、や手縒りのウール、ウールの織物などの実演を行っていて、まるで町全体が生き生きしているように感じた。
狭い中世の石畳の坂道を上ってゆくとデンマーク王の庭に出る。高い城壁と壁の上に回廊がめぐらされている。石門をくぐると目の前に大きなロシア正教のアレクサンドラ・ネフスキー大聖堂がそびえている。あいにく外側は部分的に修理中で完全な姿は見られない。又内部は写真禁止で、写せなかったが高いドームがすばらしかった。
この大聖堂の向かいの広場にエストニア国会議事堂がひっそり立っている。大変きれいな建物だが日曜日のため閉まっていた。
この辺りは高台にあるため3方の展望台から、タリンの町が見渡せる。赤い屋根と連なる塔がすばらしい。
この高台を降りて、城壁の外側に作られたセオリーガーデンを見て歩いた。花や植物をアレンジして自分たちの意見を表しているというが、小難しいことは抜きにしてきれいな花壇を楽しんだ。中の説明文にバルト海は世界で一番汚染された海だという。地図で見るとノルウエー、スエーデンー、フィンランド、ロシア、エストニア、ラトヴィア、ポーランド、ドイツそしてデンマークに囲まれたバルト海は外海への出口が非常に狭い。こんなことはここに来て見なければ決して判らないものだ。
セント・オラヴィ教会の尖塔は123.7メータで、高さ60メータの展望台まで258段の螺旋階段を上ってゆくとすばらしい展望が開ける。旧市街の高台や市庁舎の尖塔、など四方が見渡せる。
1994年9月27日、エストニアのフェリー客船が首都タリンからスウェーデンのストックホルムに向けて航行していた。出航から6時間後、フェリーはバルティック海の底へ沈み、数分のうちに乗客乗員852名が死亡した。この事故は第2次世界大戦後にヨーロッパで起きた、最悪の海難事故となった。
セント・オラヴィ教会内部ではミサの真っ最中、そこで目に付いたのが各座席に設置されたテレビで祭壇の説教師が見えること柱の多い教会だから、なんとよく出来ているかと感心した。エストニアは、携帯電話の復及率が120パーセント、インターネットは国内隅々まで行き渡り、世界で初めてインターネットでの選挙投票が行われたという。そしてスカイプもこの国で開発された。
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