カストラキのキャンプサイトは一ヶ月以上に上るギリシャのキャンプサイトの中では設備は最高、ワイアレスのインターネットの設備もありで、メールも自分のラップトップから書き送れる。このサイトにはちょうど水を落としたばかりの大きなプールがあり、メテオラの山頂からカストラキの全景を写したときにプールのブルーが目立って見える。
観光バスやタクシー、自家用車はメテオラへ行くに必ずこのカストラキの村を通ってゆく。初日には雨雲の立ち込める木立をゆっくり歩いて2箇所の修道院を見に行った。ふもとから一番初めに見えてくるのは聖ニコラス・アナパウサス修道院。このメテオラ全体が世界遺産に登録されており、夏には観光客で大盛況らしいがこの修道院は私たちが訪れた日は閉まっていた。
昔は階段など上り下りするものが一切なく修道者は綱で上るともう下界と縁をきってしまった。水は雨水を貯めたもので、食料や生活用品は滑車でつるした籠に入れて引き上げていた。これは今現在も使われている。
ルサヌー修道院は1930年に橋がかけられるまでは、高い足がかりのない岩の上に単独で建っていた。ここは小さいがきれいな尼僧院で入場料も安い。この日の朝はどしゃ降りで午後にやっと歩き出したので、この2箇所の僧院だけで夕暮れが近づいた。
翌朝も朝から雨、午後には止みそうだったから、キャンパーで頂上近くのバルラーム修道院と、メテオラの行政をつかさどるメタモルフォシス修道院へ向かった。ちょうど着いたころに晴れてきて青空まで見えてくるようになった。写真はバルラーム修道院で14世紀中ごろ聖バルラームが修行、彼の死後16世紀に教会が建てられ30人近くの修行僧が常時修行しているという。この大きな岩も孤立していたが橋がかけられ、岩を削って階段が作られ中を見て周ることができる。
メタモルフォシス修道院は大メテオラとも呼ばれ岩の上は6ヘクタールと広くメテオラの中でももっとも規模が大きく壮麗である。海抜613メータの巨岩の上の修道院はメテオラ(空中に浮かんでいるという意味)の名のとおり、修道院の庭から下を見ると、空中に浮かんでいるような気がする。ここも1923年146段の階段と通路で上りやすくなったそうだ。
険しい岩がそそり立ってはいるが各僧院をうまくつないだ道路が完備しており、車が一番便利だ。でも歩いていればこそ冥利に尽きるのは、道端の木立の中にびっしりと咲く野生のシクラメンを見たときだった。
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