毎年1年に一回は来ているカストロ・マリムへ今回も電車で来た。ここの駅はカストロ・マリムの町から5kmほど離れたところで、周囲には崩れかけた田舎家が一軒あるだけ。電車は道路を横切って止まりプラットフォームの無いところもある。
線路わきに派手に咲いている朝顔は地面を這っている。
駅から100メーターばかり言ったところで左にリオ・セコ〈Rio Seco)のサインを見つけ、地図も無いのに行ってみる気になった。距離も判らないから、行き当たりばったり。
道路わきの空き瓶リサイクルの容器にこの素晴らしい落書き、これなら許せると思う。
道端の草むらに咲いていた珍しい花、まるでどこかの園芸店から買ってきて植えたような、雑草には見えない。ところがこの辺り一軒の家も見当たらない。
枯草と乾燥して何もないような地面にあたり一面咲いていたこの花、今まで見たことの無い花だった。
道路が高速道路と交差する辺り、右に見えてきたのがきれいな村で、荒れ地の細道を通ってこの村へやってきた。
立派なお家の前庭にたわわに実っているザクロ、どうして採って食べないのか不思議でならない。このまま腐って落ちてゆくのに、それでもよその庭の木だからとるわけにもいかないし・・・・ただただもったいない。
最近のポルトガルの経済は上向きとの新聞での報告。こんな素晴らしいお家を見つけると本当にその通りだとうなずける。
どの家もきれいな花や果物の木が植わっていて、小さなきれいな村を結構楽しんで通り過ぎた。
直径30センチ以上もあるサボテンを見つけ、これは決して英国では戸外で育たないだろうなとうらやましい。
この村へは裏口から入ったので、正面の村の入り口へ行って初めて村の名前が分かった。そして村の門の脇にこのかわいいカエルのデコレーション。
この村からカストロ・マリムの町まで3㎞、のんびり歩いて町の入り口で見たことのあるサイン。なんとフランス、スペインでよく見かけたサンティアゴ・コンポステーラへの巡礼道のサインだった。この町から933kmというから、ほとんどスペインを横切るのと同じくらいの距離だ。ポルトガル人も信心深い人たちが多いから、巡礼道があると見える。
町のメイン通りは両脇に巨大な城壁が見えその真ん中に純白のメイン大教会が建っている。
メイン通りで塩だけを売っているお店を見つけた。その店頭の塩の種類の多いのに驚いた。店先の道路に積まれている大きな塩の袋が面白い。お店の宣伝は手作りの塩と書いてあった。
昨年この町のお城へも行ったから目新しいものはないが、城下町のイメージとかけ離れた町はずれのこの場所が面白い。なんとなくエジプトの神殿をイメージさせるところで、丘の上にあるサント・アントニオ教会のものらしい。小さな教会の前には大きな風車が建っている。