無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

国民に知らしむべからず

2008年10月14日 | Weblog
前々回からの続きです。

話の根底には「長期化し集中化して腐敗した政治権力とそれを隠し権力者のプロパガンダを流し続けるマスメディアについて、国民に気が付いてほしい」との私の基本的考えがある。

少し、前置き的に書いておくが、民放各局の「(政治絡みの)事件が起きた直後のニュース」を良く見ることをお奨めする。

というのは、権力者に都合の悪い内容のものは直ぐに上(権力者)からの圧力がかかり「国民に知らしむべからず」とばかりにそのテの報道がなされなくなるからであり、その前にテレビ局はその報道の仕方が権力者の機嫌を損ねると分かれば自主規制をかけてくる。そして他の報道を延々と垂れ流す。(メラミン・福岡の母親の子殺し事件・藤沢の強盗殺人事件・三浦和義氏の事件・等々)

後で個々について述べるが、独裁者の国民操縦術は、ノーベル賞等国際レベルの自国民の受賞・スポーツの世界での自国民の国際的活躍(オリンピックでのメダル獲得)を大々的に報道PRして国威の昂揚を図り、敵国・差別国・「テロの恐怖」・「被災の不安」をつくり自国民に不安を抱かせ差別意識を持たせ敵愾心を煽る、そして自国民に対し、少しの「国民にとって良いこと」をする。独裁者にとって都合の悪いことは報道規制し、国民の前に“白日の下にさらす”ようなまねはさせない。国内では国民を分裂させ争わせる。(地方と庶民・公務員と庶民・老人と若者・弁護士と庶民=裁判員・教師と親・子供と大人・等々)

これによってナチスドイツのような「好戦的な国粋主義」国家が誕生するのです。

わが国の現状について、上と比較して良く考えて見て下さい!

報道規制については、汚染米のカビ毒「アフラトキシンB1」がその一例である。次の日にはその名前が消え、残留農薬「メタミドホス等」に変り、更には「中国産もち米に含まれていた」が加わった。最後は「三笠フーズが転売した中国産もち米から基準値を〇倍超えるメタミドホスが検出された」と報道。おかしくはないか?残留農薬が検出されたから「工業用ノリ」として払出したのである。その検出されて当たり前の事を上記のように報道すると、三笠フーズより中国が悪者になってしまう。そう思いませんか?(M:別に中国を庇っている訳ではない、国民を欺く報道の仕方の例として挙げているだけ)
余談を続けると、この農水省(三笠フーズ)の問題から国民の目をそらせるため中国の「メラミン」事件を大々的に報道、日本での企業の自主回収のニュースを「メラミンの混入の恐れのある」と数日間報道、メラミンが検出されると鬼の首でもとったように「中国産の〇〇を使った××よりメラミンが検出されました!」と報道、聞いていると最後に「(カルビーほどの大きさの菓子袋を)大人が1日37袋食べても健康に害がない、との事」その後検出されたメラミンも「大人が毎日17袋食べ続けても健康に被害はない。だから安心してください。」「大人が毎日5.4袋食べ続けても健康に被害はない。」
何日も何日もテレビのトップニュースで大騒ぎ報道して「食品衛生法で強制的に回収させるほどのものでもない」メラミン混入を取り上げ、農水省の汚染米事件を全く、一切報道しなくなった。

汚染米とメラミン混入とどちらが国民の食の安全にとって大きな問題なのか?

もう一度、毒性比較を転記しておく。

■毒性を表わす単位にLD50というのがある。

これはある物質を実験動物に投与した時に、その半数が死に至る投与量をその動物の体重Kg換算した値である。少なければ少ないほど毒性が高い。

毒性LD50比較

青酸カリの毒性LD50=7mg/Kg

メタミドホスの毒性LD50=16~21mg/Kg

アセタミプリドの毒性LD50=650mg/Kg

メラミンの毒性LD50=1000~3000mg/Kg

アフラトキシン(B1?)の毒性LD50=0.00093mg/Kg

もう一度言うけれど、この値が小さいほど毒性が強いのである。
比較した値の信頼性はとも角として、アフラトキシンB1を0.015mg/Kg投与したラット全数が肝臓ガンとなった実験結果がある。

(東京都衛生局生活環境部食品保険課の記載引用)
アフラトキシンが発見されたきっかけは、1960年にイギリスで発生した10万羽以上の七面鳥が死亡した事件です。その原因物質を出したカビが…アフラトキシンと命名されました。 アフラトキシンには、アフラトキシンB1をはじめB2、G1、G2、M1などの種類が知られています。
なかでもアフラトキシンB1は天然物でもっとも強力な発ガン物質として知られています。
人に対する急性中毒の例としては、1974年にインドで肝炎(肝臓ガン)のために106名という多くの人が死亡した事件やケニヤでの急性中毒事件などがあります。
慢性中毒については、タイ、フィリピン、南アフリカ、ケニヤなどで、肝ガン発生率とアフラトキシン摂取量との間に関連性があるとの疫学調査の結果が報告されています。…引用終り

そのアフラトキシンB1が検出されている事故米が農水省が公表した5年間だけで、しかも払出した17社のうち三笠フーズだけで9.5トンも「工業用ノリ」の原料名目で払出されている。

MA米を買わされ始めてから15年たっており、そこから換算しても少なくとも12年以上に亘って事故米が発生し「工業用ノリ原料」として払い出されていたわけですが、それを公表しない農水省とそれを追求しないマスメディア。…最近小出しにして総量のみ公表、その内アフラトキシン汚染米が何トンあったのか、分かっているはずなのに公表しない農水省と追求しないマスメディア。

(人様のブログ引用)
…さらに不思議なのは、今回の事件でもっとも気になる発がん性のカビ毒のほうは、報道がほとんどないことです。パニックになることを恐れて報道を控えているということでしょうか。…引用終り

10月8日の民放テレビ局で、久々に汚染米のことをやっていた。何気なくみていると、汚染米(ブログでは“猛毒米”が主流の表現)の流通ルートのパネルを出して「この図を見て下さい。この図に出ているのは、三笠フーズ以下の流通ルートです。三笠フーズの上のルートはどうなっているのか、を調べました」と前置きして次の様に報道していました。(以下、概略記述)(M:概略と書いたのは二度とこの関係の報道がなされておらず、ネット上にも見当たらないため。本来はもっと追求すべき問題が隠されていると思われる内容だったのだが…。)

1.ベトナムへ行って現地調査

記者はベトナムが海外へ輸出する米の検査を行なう機関で聴取。

「日本以外に出す米は、ここで検査しているが、日本に輸出する米は検査していない」「どこで検査?」「日本のM社を通すことになっている(M:独占というか特権?⇒甘い汁を吸える構造、タイ等も同様、M社を通せ!)」

2.ベトナムのM社訪問調査

 M社「ウチでは検査はしていない」記者「エッ!どうしているのですか?」M社「日本に送って“日本穀物検定協会”で検査してもらっている」

3.記者の調査結果

 “日本穀物検定協会”は省庁所管の公益法人(財団法人)で農水省の役人天下り先となっており、日本では“日本穀物検定協会”と同じビルにM社本社も入っている。そのM社も同じく農水省の役人天下り先となっているとのこと。

海外のM社出先機関が、そこの米を日本に輸出していいか悪いかの決定権を持っているのである。独占的な特権を持っている、つまり、農水省の“シマ”の中で全てのことが進む仕組みとなっていたのだ。現地から日本で三笠フーズ等に渡すまでは全て農水省の手の内で行われていたのである。何故、どのようにして日本に大量に汚染米が入ってきたのか、をもっと追求する必要がある。

日本国民誰しもが「そんな米(汚染米)は返してしまえ!」と思ったものだ。
それが出来ずに農水省が「今後、焼却処理します」といった事情がやっと分かった。

また、こういった(日本のM社を通さなければ米の輸出が出来ない、米が売れないといった)権限の独占は、農水省=日本穀物検定協会=M社という“身内”内での自由な“利権”のやりとりが出来る構造を作り出しているのではないか、と勘繰りたくなる。身内内で勝手につけた金額を合法的に(例えば検査料・仲介手数料名目で)やりとりすることが出来る体制にある。

マスメディアはもっと、この米の輸入ルート(検査と輸入数量の決定と許可)について追求するべきだ。M社が幾らで現地で米を買取り、政府はM社に幾ら払っているのか? 等々。

「三笠フーズに契約違反の制裁金〇億円を科せ!(農水省)」「警察が『浅井』を刑事告発」といった報道を流す前に、この民放テレビが指摘したように三笠フーズより「上」の流通ルートを解明し問題視する必要があるのではないか。


■権力者・マスメディアの手口例…その2(M:前回の続きで、マスメディアの政府=権力者のための国民洗脳報道の一例)

私は政治についても経済についても詳しくはない、むしろ無知である。それでも、アメリカのリーマン・ブラザーズの経営破綻以降の報道は日本の政治問題を隠す目的とはいえ、異常なほどであった。

私は何でこんなに日本国民(株式の一般投資家等)の不安を煽る報道の仕方をするのか!これでは、昔の大恐慌を作り出してしまう!と怒りながらテレビを見ていた。

もう誰でも知っている常識であるが、どの銀行もその銀行の預金者全員の現金は無い。それが預金者の不安によって全員が預金の引き出しに走れば“取り付け騒ぎ”となり恐慌が現実化する。

アメリカ下院での緊急安定化法案の否決によるニューヨークダウ(株)の暴落や欧州での金融危機。
日本にとっても重要な問題であることは確かではあるが、「日本の金融システムそのものは安定しているが(世界規模の金融危機により)実体経済への影響が出てくる。」のであり、麻生首相も国連で「この度の熱狂(サブプライムローン問題)において、東京は比較的素面(しらふ)でありました。
が、これとても、1980年代から90年代にかけ、したたかあおった酒の宿酔が過剰債務となり(バブル崩壊)、これに苦しむことあまりの長きにわたったゆえだったに過ぎぬと言っていいでありましょう。
まこと、ロンド(景気の浮沈)に終わりはなく、人類は遠からず同じ旋律を聞くに違いあるまいと思います。そのたび1インチであれ前進し、賢明になろうとするほか対処の方法はありません。
国際金融の仕組みを巡る侃々諤々(かんかんがくがく)が、いま一度始まるものと思います。
日本として、持てる経験と知識の貢献に心がけたいものであります。」と自信たっぷりに、「日本はバブルで経験済みだから、その“持てる経験”と、それを乗り切った智恵を伝授してやるよ(“知識の貢献”の意味)」といっているのである。

それにしては、テレビの報道は「アメリカ発の世界金融恐慌」を演出し日本もその中に飲み込まれてしまうと国民の不安を仰ぎたてた。

アメリカでは下院で緊急経済安定化法案が否決され、株価は急降下した。これは理解できる。そのあと、その法案が通りアメリカの株価は上昇した。これも想定されたことだ。

しかしこのアメリカダウが急下落した次の日、“金融システムはしっかりしている日本”の株価は連動して急下落した。そして…

(引用開始)
世界の株式市場は、6日東京やアジア・欧州が軒並み急落したことを受け、ニューヨーク市場のダウ平均株価(30種)が約4年ぶりに1万ドルを割り込み、全面安の展開が続いた。…引用終わり

こんな報道の仕方をしていたら日本も“銀行取付騒ぎ”の様なパニックが発生してしまう、と思っていた私の予感は的中した。国民(一般株主)の不安をこれでもかこれでもかと煽った結果の「株安」である。

確かにアメリカではサブプライムローン問題はまだ底を見せていない。かといって、75兆円の緊急安定化法案が通って次の日にはダウ平均250ドル上がって一段落するはずだった。ところが日本のこの異常過剰報道のおかげで翌日の経済ニュースで次の様な発表となった。

「欧州の株式市場は先にあけた東京株式の下落を受けて(それまで以上に)急落、アメリカの株価もそれに合わせてまた下落に転じた。
東京発のこの世界的株安は(日本という安定株価市場の指標・支えが無くなったことで)底が見えないものとなった。」

これは、7日の一番最初の報道であり、二度と聞くことの無い報道となった。
どの報道も「このアメリカ発の世界的金融危機は…」で統一された。
私が、「一番最初の報道に注目」といっている所以である。

いづれにしても、日本の株安はテレビ報道によって作られた(少なくとも加速された)ものである。(M:NHKでは日本の株式保有の60%が外国資本であり、それらが自国に引き上げたから株安となった、としている。日本国民は超低金利の預金に嫌気がさして株式に手を出したが、その一般投資家の不安に駆られた投売りもあった、とは決して言わない。)
昔、不景気な時代に「噂倒産」ということが起こった。取引をしている会社の与信が心配で、あの会社は大丈夫だろうか?と業界内で問い合わせる。それが、回りまわって、あの会社は危ないのではないか?火の無いところに煙は立たない、あの会社は危ない、倒産する、取引を止めよう、となりその会社は従来通りの取引が出来なくなって本当に倒産してしまう、といったケースのことだ。
このマスコミ報道が前回のブラックマンデーの時の日本と違った、今回の混乱を起こした元凶となった。

景気を支えているのは個人消費・企業の設備投資・公共投資の順であり、そのうち個人消費は60%弱~70%弱を占めている。すなわち、個人の財布の紐が少し緩めば、景気は良くなるのである。タンス預金が増えても景気は良くならない。景気は“気”からといわれる所以である。


何故、マスメディアは世界恐慌を煽ったのか?

政府の対応ですぐに分かった。

①「解散などと悠長な事を言っている時ではない。100年に一度の危機(アメリカで)への財政対策が優先課題」(某経済評論家)

②「アメリカ発の世界金融危機(経済不況)」…今の日本の格差社会や不況等の問題も政府の責任ではない、世界的なものだとしてしまう。

今解散しても選挙に勝てないことを知って、自国の国民を犠牲にして(不況に追いやって)、日本の国際的地位を犠牲にしてまでして、解散引き伸ばしの口実を捻出した。

また、今までの新自由主義・市場原理主義という“失政”による不況を全てアメリカ発の世界的不況に包み込ませてしまった。

今日、ヨーロッパ・アメリカの株価が急上昇した。公的資金投入等で市場が交換を示したためと見られており、これで一段落なのだろうが、私は日本だけそうはいかないのでは、と見ている。
相変わらずテレビでは「(今日は上がったが)どうなるか分からない」とか「実体経済に影響が出てくる」等々、不況作りに専念している。
一般投資家の投資意欲はこの洗脳報道の洪水のおかげで当分海外ほどには回復はしないだろう。(今日の東京株式市場を見て多少修正、1000円以上上がった為)
せっかくの経済大国の日本の国威を示す(リーダーシップが取れる)チャンスを逃し国家の品格を地に落とし、国民の生活を犠牲にしてまで延命を図る政府、また円安が進行する。

今日はここまで…またね。



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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-10-14 12:32:13

『椿事件』

1993年9月21日、民間放送連盟の「放送番組調査会」の会合の中で、
テレビ朝日報道局長の椿貞良が、選挙時の局の報道姿勢に関して

「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。
今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、
なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる
手助けになるような報道をしようではないか」

との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行う。

(ウィキペディア「椿事件」)
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