ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

春日の杜で学ぶ・春日祭

2013-10-29 21:42:10 | 春日大社
毎年、3月13日に執り行われる「春日祭」
嘉祥2年(849年)に始まったと伝えられ
宮中より天皇陛下のご名代である勅使の参向を仰ぎ、
国家の安泰と国民の繁栄を祈るお祭です

関係者以外には非公開の為、その内容は、時折、報道写真などで
見ることしか叶いません。

ところが、春日大社で「春日祭」を学ぶ講座が開かれる!
というので早速申し込みました。
花山院(かさんのいん)宮司がお話して下さるというのは嬉しい事です
花山院家33代目の当主で、藤原道長の次男の家系だそうです。
勅使を勤められたご先祖様もおられるとか。

宮司になられる前は、県立高校で地理の先生をしておられました

めったに見ることのできない映像に夢中です。
解りにくい言葉がおおいのですが、さすがに元先生の宮司さん。
素人にも解るように、丁寧に言葉の意味や読み方を説明してくださいます



天皇陛下から下賜された、御幣物も拝見させて頂きました



酒殿

お祭に使うお酒は千年以上前からここで造られています



今年の春日祭の様子・・・

第65回正倉院展

2013-10-29 20:46:29 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で「第65回正倉院展」が開催中です

今年一番の楽しみは、蓮の花びらをかたどった、
漆金薄絵盤(うるしきんはくのえばん)

香を炊く為の台です

正倉院宝物の中でも、最も華麗に彩られた宝物

23年ぶりの公開ですが・・・正倉院から博物館まで運ぶのに
慎重に慎重を極めなければならない程、繊細だそうです

花びらはぐらぐらしている上に、絵は金箔の上から描かれている為、
剥離しやすくて、学芸員泣かせの宝物です

正倉院から博物館・・私が歩いても約10分
それを車で1時間以上かけて、それはそれは・・・ゆっくり、ゆっくりと・・
この運搬が怖くて、次は宝庫から出せないかも、と話を聞きました

素晴らしいポスターやチラシ





平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)

螺鈿の鏡は、毎年のように出陳されますが、今年は、琥珀と玳瑁(べっこうの事)
で彩られた花にとまる可愛らしいスズメを楽しみにしていました

花芯に玳瑁、花びらに琥珀が使われて、それぞれ、下に描かれた模様が
浮かび上がるような工夫がされています。
トルコ石とラピスラズリの小片を埋め込んでいて、色の対比が絶妙!!



予想外にツボにはまったのは・・・
ドールハウスを造っていたの?と思うようなミニチュアが見事でした!

他にも、素晴らしい宝物がありますが、
毎年の楽しみは「古文書」

下級役人が次月以降に受け取る給料を担保にして役所からお金を借りた
記録が展示してありました
利息は、13~15%

昔から、庶民はお金に苦労していたのね・・・としみじみ・・・

正倉院展は、始まったばかりですが、会期が短いので、あっという間に
終わってしまいます。

休日を避けて平日の午後3時~4時以降にお出かけください