唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

男はつらいよ 寅次郎純情詩集

2014年10月18日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 寅次郎純情詩集

松竹

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1976年 18作

マドンナが亡くなる話なので、つらいです。
寅さんは一生懸命つくします。
病弱でお嬢様育ちで、寅さんにとってつくしがいのある人だったのでしょう。
寅さんを求めるお嬢さん、お嬢さんが喜ぶ姿に自分も喜びを感じ…
最期までその関係は続きました。
寅さんには、実はこういう人が一番合うのかもしれません。

最後、娘さんに会いに行くとこなんかも、泣かせるところです。

そこでまた一つ物語ができそうです。

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なんかあれですねえ・・・結末を知った状態で見ちゃうと、笑うシーンも悲しくて・・・

泣けるだけじゃなくて、笑えます。寅さんに慣れていけばいくほど、思わず笑っちゃうシーンが増えてきて・・・多分一回目の「ひいた」ところも、今回は笑ってしまっていると思います。

寅さんは長い年月の中で、いろんな人に深く愛されていったんでしょうね。これからも、寅さんを深く愛していく人がどんどん増えていくんでしょう。

人を愛するって、なんか、恥ずかしいことのように見えがちだけど、寅さんは純粋に好きになって、こんなにその愛した人に尽くそうとする姿は・・・感動です。

人を好きになると心がやわらかくなるといってましたが、そのやわらかさが寅さんのやさしさになって、人を幸せな気分にするんでしょうね。

寅さんがもっと何かしてあげられたんじゃないかと悔やむシーン・・・知らずにいたからこそ、その人のために何かしてあげたいという気持ちが素直なかたちで現れたわけですね。だからこそ綾さんは、寅さんを好きになったんですね。

いつもなら俺じゃ彼女を幸せに出来ないとひいていく寅さんが、今回は、真剣にあやさんのことを先まで一緒にいることを考えていました。花屋さんの話はそこでの寅さんの決心みたいなものが言葉で出たところだと思いますが・・・

結婚するとか・・・そういうことじゃないんだよなあ・・・、綾さんが自分を必要としてくれている。自分が一緒にいることで幸せそうな顔をしてくれる。そんな綾さんの喜ぶ顔を見たい・・・その顔を見るだけで自分も幸せな気分になれる。それだけなんでしょう。

前に見たときよりも、かなりおもしろい、いい話だと思いました。
寅さんの映画はもう残されたものしかないので、発展しませんが、見るほうの認識が発展して、寅さんも発展するような・・・そんな気がします。

見るたびに新鮮です。

あ・・・そうそう・・・旅役者の人たち。あのお芝居と重なって・・・だからなに?って感じですけど・・・

2008-11-24

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マドンナとの別れが死別というかなりきついお話しです。娘役の壇フミさん、寅さんに母のことを愛してたかを聞くところがありますが、とてもいいところです。政略結婚、自分で生きてきた実感がない、長い闘病生活、そして短い人生。自分の人生は不幸だったと思っていた綾さん、寅さんの注いでくれた愛情によって、たった一ヶ月間だったけれども、幸せを実感することができる日々だったのかもしれません。

寅さんは花屋さんを一緒にやろうとまで考えていました。俺も実を言うと、小物やさんとか、花屋さんなんかいいなあなんて思っていましたが・・・
今回ほど寅さんが何かしてあげなきゃと思ったことはないのかも。あやさんのために渡世人稼業をやめようと本気で思ってたんだから。

最後の娘さん先生との再会がまたうれしいです。

旅芸人の人とのこうりゅうもおもしろいのですが・・・

最初の寅さんのはちゃめちゃぶりはかなりひいてみてました。

(2008-01-29)

第46作 男はつらいよ 寅次郎の縁談

2014年10月18日 | 男はつらいよ・山田洋次
第46作 男はつらいよ 寅次郎の縁談 HDリマスター版 [DVD]

松竹

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男はつらいよのすごいところはこれだけ作品があるのに、その時々でちゃんと面白いということですね。
この話もすごく面白くて…ちょっと泉ちゃんがいないのは残念だけど、そのかわりの満男とあやちゃん恋愛模様がまたまたいいのです。
しかも、この間ちょっと薄れ気味だった寅さん恋愛もちゃんと強調されているので、そこもいいですね。

御前様はこの作品では出てきません。たぶん、亡くなったからだと思うのですが、それでも、御前様が元気ということを見る側に思わせるために冬子さんを登場させています。

昔の女の人が登場するというのもいいですね。
たまにそういう形でちょっと顔を出すとかあればそれはそれでシリーズの見どころになったかもしれませんね。毎回の作品で、裏マドンナというか過去マドンナを一人ずつ通りすがりとかで登場させるとかね。寅さんと直接会っちゃうと、また恋とかになっちゃうから、とらやに挨拶に来るだけみたいな感じで毎回一人ずつやるんです。しかも、上映までは表に明かさないでおいて。そうすれば、今回の裏マドンナは誰だ!?みたいのが、話題になったりしてさ。

この前見た、紅の花のときにかがりさんのこととか、お寺のひと・・・再婚したのか!!)あと、だれだったかな?会話の中でその話が出た時にちょっぴり嬉しくなりました。どこかの作品でお千代さんのことも言ってたこともありましたしね。

話は映画の中身に戻って、前にも書いたけど、暗闇の「好き!」というところが涙が出るくらい美しく・・・恋の切なさも感じていいシーンですね。

最後の船での別れのシーンも涙が出ちゃいました。

あと、船が欠航になったことを喜ぶところが面白くて大好きです。

寅さんにプレゼントが何がいいかを聞くところもいいですね。

満男がお姉さん(名前忘れた)におじさんはお姉さんのことが好きだから、結婚してくれれば…なんて言って怒らせちゃうところも好きなところです。
あのあと、「寅さん、月・・・」と指差して、寅さんが月を見ている間にさみしそうで一人帰っていくところがいいですね。

名シーンが多いお話でした。
名シーンと言えば、島の景色もきれいで、本気で住んでみたいと思ちゃいます。

満男が就職難であがいているところもいいです。うそを言って面接するのはもううんざり!と泣く満男の苦しさが伝わってきます。
話の最後にまた面接に行くわけだけど、その時の博さんの「自分の思ったことを言えばいいんだ。うそをつくことなんてない。それでだめなら、それでいいんだ」というところで、親子の心がつながったなあ・・・なんて思って・・・そこもいいところです。ネクタイ選んだり、靴磨いたり・・・親子の愛ですねえ…

2009-01-30

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このお話は、自分にとって数少ない劇場で観た作品でした。
今見ると、渥美清さんに元気がないのが年齢のせいだけじゃないような気がします。
映像からも、渥美さんに対する気遣いが感じられます。
寅さんが話すシーンも、まるで記録映画のように、映像として残しておきたい。そんな意識で撮っているかんじです。
気のせいかもしれませんが。

とらや(車屋?)の人たちも歳をとり、昔のような勢いはなく、月日の流れを感じます。仕方のないことだけど。
特にタコ社長はやせちゃってて見ていてつらくなります。

その中で、満男の恋物語が映画を元気にさせてます。
同時に、昔の作品よりも、社会の現実が物語を暗くしてます。
就職難、人間が軽く扱われる現実の中で、満男が飛び出した旅先で生き生きとしてる姿は救いがあります。
看護師さんの元気な姿は、とてもうれしくなります。

いま、男はつらいよをつくったらもっともっと暗い話になっちゃうかもしれません。
人生はつらいよ。人間はつらいよです。
その看護師さんもつらい思いをしてるかもしれません。


第9作 男はつらいよ 柴又慕情

2014年10月18日 | 男はつらいよ・山田洋次
第9作 男はつらいよ 柴又慕情 HDリマスター [DVD]

松竹

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第9作

寅さんの部屋を貸し出そうとした事に寅さんが怒るところで、寅さんが、博さん画家を建てたいと思っていることを馬鹿にするんです。
博さんが「お兄さんはひどいことを言うなあ・・・・」と、力なく、悲しい目をしながらつぶやくんですね。
そして、サクラさんは、「なんで一生懸命働いてためたお金でいえを立てようとしていることを馬鹿にするの?」・・・っていう感じで寅さんに対して泣きながら話すんですが、そこがすごく泣けてしまって・・・・

寅さんもそれを聞いて、その場にいられなくなりまた旅にでてしまうんですが・・

まあ、そんなこんなで吉永小百合さんが登場します。ウサギさんみたいです。
ちょうどこのころの吉永さんは、結婚のことで悩んでいたそうで、そういう意味では、このお話は、そんな吉永さんの本心が出てたりするのかもしれません。
そして、そんな悩んでいる吉永さんへの山田洋次さんからの応援でだったのかもしれません。

寅さんは結局ふられてしまいました。自分にとっても、ふられた時の寅さんの表情がつらくて・・・流れ星を見ながら2人が別の方向を向いているのは名場面だと思いました。

2008-01-09

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このころの寅さんはめちゃくちゃで、博さんとさくらさんの一生懸命働いて、家を建てたいという思いを傷つけてしまいます。あんなこといわなきゃいいのに・・・ということがぽんぽんぽんぽん出てくるからね。それがまたすごいところだけれども。

「バター」であれだけ笑いをひっぱれるか・・というのはあるけれど、ああいう、おかしくておかしくてもうどうにかなっちゃいそうな感じってほんと、たまに・・・何年に一回とかかもしれないけれど、ありますよね。その瞬間って・・・本当に幸せなのかもしれないですねえ・・・

それで思い出したけど、古今亭志ん橋さんがやっていた抜け雀がおもしろくっておもしろくって・・・貧乏のお侍さん・・画家?と、ぼろい宿屋の主人とのやり取りがおかしくって・・・おおわらいしちゃったなあ・・・笑いにのると、ちょっとしたきっかけでまたどっとなるんですよね。

まあ、そんな魅力が寅さんにはあるんでしょうね。残念ながら、観ているほうにはちょっと伝わりづらかったかもしれませんが。
見ている側も笑っちゃうといえば、ハイビスカスの花で病室でおばあちゃんに「リリーこんなにしわくちゃになって・・・町であってもわからねえ・・・」みたいなところは本当におもしろかったですね。わかっていても思わずおかしくなっちゃうのってあるけど、あそこのシーンは本当にそうでした。

いやいや、柴又慕情の話だけどね・・・「またふられたかあ・・・」のせりふは本当に切ないですね。ほんと、またふられたか・・・・だよね。

結婚を決意した歌子さんとのやり取り。とらさんのつらさ・・・わかるなああ・・・・

寅さんの立ち位置ってわかるんだよなあ・・・

けっきょく、寅さんは「良い人」だったり、「おもしろい人」だったり・・・
相手の女の子が自分との会話で楽しそうにしていたり、ちょっと自分に気を使ってくれたり・・・そんなことが気になって、だんだん好きになっちゃって・・・そうすると、その子の反応というか対応を勝手に良いように解釈し始めちゃって・・・それで、またまた勝手に盛り上がっちゃって・・・
それでふたを開けてみたら、「え!?私のことが好き!?」「困ったわ・・・」ってなもんだもんね。「いやいやあなたのことを嫌いではないけれど・・」「あんたを男としてみるとか考えられませんから」ってことだもんね。あれ?寅さんから自分のことに・・・(笑)・・・(いや・・・笑えないでしょ・・・)

ああ・・・書いててつらいけど・・・

寅さん!気持ちわかりますよ。

でも、今回、歌子さんが結婚を決心したことを寅さんに打ち明けるときに急に涙があふれだしましたが・・・そこがまたいいところで、今まで色々悩んできたことが、自分が決心したことで前向きになって・・・そんな決心した自分に感動したのかもしれないし・・・なんにしても、それまでのつらさが報われる涙というのはああまで美しいのかと思いましたね。

いや、あのときのふられた寅さんの見えない涙・・・見せなかった涙だって・・・美しいんだけどね。あの落ち込みようは・・・・

何で寅さんばっかりみてるのか・・・
それは、またいつものあれだよ・・・あれ・・・

まあ、私が恋をしなくなったらただの造糞機だからね。

それで、前にも書いたけど、2人で夜空を眺めれいるシーン。寅さんには涙で星なんてみえやしません。歌子さんは未来を見つめるように、流れ星を見つめます。
そして・・・お互い・・・別の方向を向いているんですねえ・・・・
美しいシーンです。

同じ道を歩いていても・・・見ている景色は違うのです。
彼女は上を向き、私は下を向く・・・
彼女は前を向き、私は後を向く・・・

同じ道でも地獄道だね。あの道は。

寅さんには勉強させられます。

2009-02-10

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今回の驚きはなんといっても吉永小百合さんですね。
このまえ、「おとうと」を見たけれど、なんか、声とか全く変わってない気がします。

最初の柴又での大騒ぎは面白いですね。
貸し部屋ありの札を見て怒った寅さんが不動産屋さんで見つけてもらった部屋がとらやの自分の部屋だったというのが面白いですね。今回はじめて気がついたんだけど、「ふーん、やらと屋さんか…」と、さりげなく言うところがとても面白かったです。

3人娘と一緒に大笑いしながら旅を続けて、パーっと明るい感じになって、次の別れのシーンで、夕暮れ時の寂しい駅のホームになるんですけど、あのへんの祭りの後の寂しさみたいな感じがとてもいいです。そして、歌子さんから鈴をもらったお礼に何かあげなくちゃっていうんで、お金をあげちゃうんだけど、そのあと、3人を見送った後の財布の中身をみるところから、もらった鈴を鳴らしながら駅のホームを後にするまでのところなんかも遊子哀しむって感じでいいですね。

諏訪家で歌子さんに博が話をするところもとてもいいです。あの時の博さんはとてもかっこよかったです。後押しのしかたがなんかいい感じがしました。
最悪だったのは、食べ物を吹きだすところです。サンドラブロックのように、上と下の2冠をあげたい気分です。

歌子さんたちと出会ったお店のおばさんとお話しするところの寅さんのしゃべり方がいいです。力を入れないですらっと流れるような語り口調がとてもかっこよかったですね。

30年帰ってないと嘘を言われてた女の子2人と寅さんの会話がかみ合ってなくて面白いです。娘たちが「30年たつと変わってるでしょう」って言ってるのに寅さんは「20年」って言ってたような気がしたけど・・・。あれも少しでも真実に近づけようとした寅さんの努力なのでしょうか…娘たちにあっさりまた「30年だもんねえ…」と、打ち消されちゃいましたけど…ききちがえだったらすいません。
そのままとらやに入った時が面白いです。

寅さんにはまると、寅さんから抜け出せなくなります。
山田洋次監督も、寅さんをつくって、自分で作った世界から、抜け出せなくなってしまったのかもしれませんね。おとうとでもテレビで寅さんのシーンが出てたと思うんだけど…これからもずっと寅さんを引きづりながら、映画を撮り続けて行くのでしょう。・・というか、ひきづり続けてほしいです。

2010-03-13

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きっかけは寅さんなんだけど、なんだかんだでとらやが居心地がいいということなんでしょうね。
とらさんのいいところは、マドンナが結婚しちゃったりしても、ちゃんと気にして会いに行ったりするところですよね。
映画になっていないところで、いろんな人のところに会いに行ってるとかんがえると、それだけでまた違う物語がありそうで、面白くなります。