唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

ガール6

2011年05月17日 | 映画 か行
ガール6【字幕版】 [VHS]
クリエーター情報なし
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


女優になれない女の子がテレフォンセックスで稼ぐというお話です。

なんか、今のインターネットでの人のつながりにも通じるような希薄な関係です。
でも、会話の内容は日常では表に出せないような裏の自分、裏というより、不断は眠り込ませている自分とでも言いましょうか、そんなものを、目に見えない相手に対しては出せてしまう・・・それで、何でもうけとめてくれちゃうから、はまり込んでお金を使ってしまうわけですね。

受ける側の女の子は金を稼ぐために相手にあわせて、ウソの共感で客をとるわけです。マジメに相手のことを気にしてしまうと、こんな仕事できませんよね。

お互いが、それを割り切っている間は成立する関係。

そのウソの世界を現実と勘違いしてしまうと、そこには破滅が待っています。

それは会おうといわれて会いに言ったらすっぽかされた現実とか、アパートを突き止められて、殺されるのではないかという恐怖とかがありましたが、架空の世界がエスカレートしてしまって引き起こされた現実の恐怖というのは、本当に怖い。

マジであんな感じでアパートに入ってこられて、殺されちゃうなんてことは、実際にありそうでこわいです。
最後の現実稼動かわからないようなテレフォンセックスから、現実の恐怖に切り替わるところがとても印象的でした。

それで、そんなスパイクリー監督のガール6、ずっと観たいと思っていながら、見ることができなかった作品です。

何で見たかったかというと、音楽をプリンスがやってるんです。
これはすごいですよ。
プリンスプリンスプリンス。
正直、プリンスの曲の方に気持ちが入り込んでしまうので、物語が何となく中断しちゃう感じがもったいない。どっちに集中していいかわからなくなる。

プリンスと映画は相性が悪いのかな?

特に、パープルレイン、アラウンド・・・、パレード、サイン・・・の曲とかが流れると、さっと現実に引き戻される感じです。映画に融合してないです。

でも、最後のサムタイムスノー・・・でまたジーンときちゃいます。
あそこのキスシーンは美しいですね。ただ、あの男のほうというのが、なんか納得いかないけれど。雪の変わりに電話が降ってましたけど。

ところどころに遊び心があって、マドンナの取扱説明のところとか、マルコムXのときみたいなタイヤごろごろがあったり・・・

エレベーターから落ちた少女の話は何を意味するのかはよくわかりませんでした。
でも、何か深い意味づけをしています。
遊んでいたらエレベーターのドアが勝手に開いて落ちちゃうというのがあのときの彼女のこのまま落ちていってしまうかもしれないという恐怖のイメージと重なったからなのか、それとも、黒人社会の現実のイメージなのか・・・よくわからないけど、わからないくせに、いいアクセントになってる気がして。

そんなこんなで、洋物のえろビデオ見てるのと間違えられそうなそんな一品でした。

DVDにはなってないのかもしれませんね。
ビデオでレンタルしました。

ぜひ、DVDにしてほしいです。
プリンスの曲がずっと流れていて、それだけでも楽しめる映画です。

ガール 6 オリジナル・サウンドトラック
プリンス,ニュー・パワー・ジェネレーション,ヴァニティ6,バニティー,スター・カンパニー
ダブリューイーエー・ジャパン