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音楽・小説・その他、思いついたことをだらだらと綴る
アールグレイの気まぐれ日記

ペッパーズ・ゴースト

2022-02-26 | 
●ペッパーズ・ゴースト● 伊坂幸太郎
朝日新聞出版  2021.10

中学国語教師の檀(だん)は飛沫感染で他人の翌日の出来事がちょっとだけ見えるという特殊能力を持つ。
昔の教え子に対する罪悪感を持つ檀が〈先行上映〉で見た生徒の里見大地の危機を回避させたものの、里見の父親・里見八賢(さとみはつけん)が連絡もなく帰ってこなくなる。
そして、サークルと呼ばれる爆弾テロ事件の被害者遺族のグループが里見八賢の行方を教えて欲しいと檀に連絡してきて…


生徒が書いた小説で、ネコジゴハンターとして〈猫ゴロシ〉の視聴者・支援者に復讐する二人組(の一人・ロシアンブル)、
サークルの成海彪子(なるみひょうこ)、檀の視点で物語が進んでいくのだけれど
どういう展開になるのかわくわくしました。
悲観的なロシアンブルと楽観的なアメショーのコンビが面白く、重い内容ではあるんだけれど軽快で
「作家生活20周年超の集大成」と帯にあるのもうなずけます。

「ペッパーズ・ゴースト」とは別の場所に存在する物を観客の前に映し出す、劇場や映像の技術のひとつだそうです。
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