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音楽・小説・その他、思いついたことをだらだらと綴る
アールグレイの気まぐれ日記

死は新しい生へのはじまり

2005-08-02 | ライブ
エルカンパニー 「THE WINDS OF GOD ~零のかなたへ~」
8月3日 島根県民会館


漫才師のアニキとキンタは交通事故にあう。
意識を取り戻すとそこは1945年太平洋戦争末期の日本海軍。
彼らに突きつけられた現実は、神風特攻隊員としての前世の姿だった…


今井雅之氏が作・演出・主演の舞台。
初演から17年も経っていながら、
そのタイトルは聞いたことがあったかもしれないけど
まともに引っかかったのは今回が初めて。
今まで舞台にあまり興味がなかったから(苦笑)
舞台に興味を持ち始めたのはここ数年で、
実際に見に行くようになったのは実質今年の春からなんで。
…まぁ言い訳はこの際どうでもいいんだけど。

この舞台が今回島根に来ることを知るちょっと前、特攻隊の小説を二冊読んだ。
だからちょうど自分の中ですべてのタイミングが合ったんだと思う。
ローソンの無料冊子の広告欄(?)で見た瞬間行こうと決め発売日をチェック。
先行予約日、時間が来ると共に電話してチケットを予約させてもらった。

時間にして2時間半。
最初の方は地元ネタ満載で笑いまくりとても楽しく。
だんだんシリアスになって、涙がぽろぽろ。
ずっと座っているとすぐ腰にくるので途中少し辛かったが、
今回4列目の席で、生の演技の迫力にひたすら感動した。

でも多分、
今井氏が舞台で伝えたかったものと私が受け取ったものには差があるんだろうな。
出撃する特攻隊員が言った言葉も彼に対してアニキが言った言葉もどちらも真実で。
それぞれの真実のために散っていった命の果てに今の世の中があって。
私はなんというか…散っていった命に、申し訳なさを感じてしまう。
飽食で、親・兄弟・友人・隣人・果ては見知らぬ人まで
誰に攻撃されるかも分からない物騒な今の日本を見たらどう思うんだろうかと。

でも多分。
舞台を見たすべての人が何かを考えるきっかけになっているのなら、
今井氏はちっぽけな人間なんかじゃなく。
先日見た「あいと地球と競売人」は環境の話だったけど
根底に流れているものは同じだと思う。
小さな存在の人間だけど一人ひとりが考えて行動すればより良い世界になる。
そして、カーテンコールで今井氏が言った言葉を心に刻みこめ。

「NO MORE WAR」
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