ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

折れない、折れる

2011年10月07日 04時37分52秒 | 教育・指導法
小学生拳士たちの中にはなかなか手強い強者たちが…


まず、そんな子どもほどたくさんほめます。


手強い子どもはほめやすいのです。


事実を言うだけでほめたことになるからです。


「おっ、座っているね!」

「返事できたね。」


「楽しそうだね~」


などなど。


しかし、ほめてばかりではありません。


絶対に負けてはいけない局面があります。


今日もありました。


うちは稽古の最初に体育館の端から端までを10回雑巾がけします。
これはなかなかきついです。


ある子。


サボろとしていた。


「作務をしなさい。」


しばらくすると、


「先生、雑巾忘れました。」


「じゃあみんなが終わるまで壁に向かって正座していなさい。」


最初は座っていたが、しばらくすると、


「先生、やっぱり雑巾あった。」


「じゃあ、いまから10回やりなさい。」


「はい!」


といって、二回やってもう終わろうとする。


「○○、きちんと10回やりなさい。」


ここは絶対に引かない。詰めきる。


その子は観念してきちんとやりはじめた。


長坂はその子をずっと見ておく。(ここは勝負どころ。その子の以降数年間の指導にまで影響するだろう勝負どころだ。)


ほめる声かけをしていく。


ずっと見ているので、きちんとやっている。


「先生、あと一回で終わり。」


本当はあと三回はある。


しかし、ここは折れてやる。


こちらも全部数えていたわけではないので、間違ったことも言えない。
もし、間違っいたら、その子は長坂に不満と不信感を持つようになる。


確実に勝てるところでだけ勝負する。


「あと一回」


「そうか、よくがんばったな。」


その子は「この先生には勝てない。ごまかしはきかない。」とわかっただろう。

このような勝負があと数回は必要だろう。


その数回を制すれば、もう負けない。


場が荒れる、指導がうまくいかない、子どもたちが言うことをきかないのは、恐らく、小さな勝負どころを見逃しているか、気付いていても制することができていないかのどちらかだろう。
反対にどうでもいいことをくどくどとお説教しているのかもしれない。


指導者には勝負勘が必要だ。


その子が作務が終わったあと、みんなを集めて言った。


「○○は最初雑巾を忘れたと思ってたんです。でも探したらあったんだよね。それできちんとみんなと同じように10回にやったんです。遅れてでもやるって、偉いよね。」


学校では、教室はその子でてんてこ舞いらしい。


それがわかっているから、長坂はほめまくるのだ。


でも、勝負どころは外さない。


手のかかる子どもほど将来性があるものだ。


「先生、○○のこと大好きなんよ~」


すると、その子は言った。

「うちも先生のこと好き!」


人間、嫌いな人の言うことを聞くはずがない。

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