ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

トレース

2011年02月12日 04時48分03秒 | 教育・指導法
学ぶことは真似ること。


トレースすることからはじまる。


しかし、きちんとトレースすることは簡単にはできない。


指導者もトレースする。
いい指導方法や先輩指導者の方法をトレースしようとする。これが追試。
完全な指導者や指導方法なんてない。
だから、みんなが追試をして、修正を加えていき、よりよい指導方法を作り出す。
しかし、その修正を加えて作られた指導方法もさらに追試、修正の対象となる。

向山洋一先生はおっしゃる。
「ベストな方法はない。ベストを目指すベターな方法があるだけだ」(文責長坂)

そして、一つの指導にも様々な方法があったほうがよい。
少林寺拳法なら、小手抜の指導方法は100も200もあったほうがよい。


その中からどれを選択するかはその指導者の自由である。


さて、中学生や小学生黒帯にも指導の手伝いをしてもらうことがある。


その場合、次のことは指示してあげるほうがよい。


・何を教えるか。


・それをどの順番で教えるか。


・それをどのように教えるか。


・それをどれぐらい教えるか。


このあたりを網羅した、技術習得用のワークブックを作ってみようと考えている。


イメージは長坂が作成して使っている「組演武上達級表」(D表→C表→B表→A表→S表)だ。


教わる人がしあわせになる。


教える人がしあわせになる。


少林寺拳法全体がしあわせになる。


この三つを兼ね備えているのがいい少林寺拳法の指導方法だと思います。

理解しずらい発達障害

2011年02月12日 04時20分01秒 | 教育・指導法
理解しずらい発達障害はどれでしょうか?(以下は長坂の私見です)


ADHD(注意欠陥多動性障害)


LD(学習障害)


PDD(広汎性発達障害)


PDDの中には、高機能自閉症とアスペルガー症候群もあります。


ADHD、LD、高機能自閉症、アスペルガー症候群。


どれが一番理解しにくい(その子の立場になりにくい)か。


私は、LDだと思います。

ADHDは、多動(落ち着きがない)、不注意(わすれっぽい)、衝動性(待てない)。これらは何かの行為を伴うので他者にもわかりやすいです。


高機能自閉症、アスペルガー症候群は、孤立、こだわり。
孤立する。あわせない。柔軟性がない。
もう一つは、こたわる、しつこくなる。繰り返す。


これも、なんらかの行動や言葉となって出てくるのでわかってくると思います。

LDは、学習障害。勉強ができないということではない。読む、書く、話す・聞く、算などの特定の分野に著しい発達の遅れがみられる。


この場合、視覚障害が原因である場合があります。
(いま、LDだけでなく、発達障害と視覚障害は密接に関連性があることが言われています。)


ここでいう視覚障害とは視力ではなく、みえかたのことです。


ディスレクシアがある場合、黒板の字がボヤけて見える。2重に見える。スクリーンセーバーがかかったように見えるなど。


ほかの子どもたちとは違うみえかたをしているということ。
しかし、当の本人は自分だけがそう見えているとは気づかない。みんながそう見えていると思っている。
その子の眼を通してしか見えないのだから。


だから、私はLDが一番理解してあげにくいのではないかと思っているのです。

学校では、読み、書き、算をたえずやっているので発見はされやすいでしょう。

しかし、少林寺拳法の道場では指導者は気づかないケースが多いのではないでしょうか。


拳法だけではわかりにくいと思います。


トム・クルーズがディスレクシアでLDだとカミングアウトしたときも、みんなびっくりしたはずです。


道場にもLDの子がいるかもしれません。


もし、そうなら、その子はなんらかで困っているはずです。(修練上)


「なんでこの子はこんなこともできないのか?」


と決めつける前に、指導者は様々な状況判断ができる知識と情報量を持っておきたいですね。


私は、少林寺拳法の中でLDだと診断(専門の医師が行う)された拳士を指導したのは一人だけです。
(ADHDやPDDはたくさんいます。)


育夢学園では、知育で「名文・詩文の暗記暗唱」を行うので、視覚情報がうまく入っていない子どもたちのことはわかりやすいです。

発達障害は、理解ができると(その子のすべての言動にはなんかの意味がある。脳科学的に見ればすべて理解できる。)、一見手のかかるとか大変だと思われる子どもたちのことも、もっともっと大切な存在に感じられるはずだと思います。