本を開いて驚いた。活字が大きい。文字が濃い。お年寄り仕様になっているのだ。そんな本を初めて読んだ。大型活字本と明記されて本自体も大型のものが図書館にあるのは知っていたが、これはそれとは違う。一応は普通の本なのに、デカくて濃い。1ページ14行。1行が35文字。1ページの文字数は400字ほど。原稿用紙1枚。それって凄い。
内容よりそっちの方が気になった。さて、その中身だけど、最初はなかなか面白いと思ったが、お話があまりに緩すぎて途中から飽きてきた。70歳で死んだ友人の葬儀にやって来た高校時代からのかつての仲間3人。彼の残した遺書には応援団を再結成して欲しいとある。3人の老人たちと死んだ男の孫娘が彼の想いを実現していく。そんな話。
NHKあたりが好きそうな内容だから、たぶんドラマ化されるのではないか。老人の第二の人生をテーマにした作品は近年花ざかりだが、だんだん食傷気味。明るい老後の提示を描くのは悪くはないけど、安易な内容はつまらない。タイトルが面白いので読み始めたが内容が伴わない。ハートウォーミングで元気の出る小説を目指したのだろうが、それだけでは納得できない。