ウディ・アレンの映画のように毎年コンスタントに新作が公開されるホン・サンスの映画。(ウディ・アレンはいろいろあるようで最近新作公開が途絶えているけど、ホン・サンスは途切れない)
昨年の新作はまだ見てないけど、今年のこれはちゃんと見た。しかし、相変わらずで、確かに面白いけど、毎年では飽きる。だから最近は劇場て隔年くらいにして、配信で見逃しは後追いするというパターンだ。
今回もまた、だから、どうした、と思う映画だ。まぁいつものことだ。毎回また同じようなグダグダの会話と、酒盛りが延々と続く。それだけ。
ただ今回は書けなくなった作家(イ・へヨン)と、演じられなくなった女優(もちろんキム・ミニだ!)が、ふたりで短編映画を作る話だと知って興味を持った。成功して確かな地位を築き上げた後の人生第二章。
自分を見つめ直すことが今の課題であるが、なかなか難しい。そんな時、ふたりは偶然出会い、たまたま映画を作ろうとする。大きな映画ではなく、簡単な自主短編映画だ。撮影だって1.2日でいい。そんな作家の誘いに女優は乗る。
ラストの試写会のシーンがいい。観客はひとりだけ。出来上がった映画をまず女優に見せるための試写だ。40席ほどのミニシアターを朝の時間借りて上映する。見た後の感想などは語られない。劇場ロビーから屋上にいる監督(作家)のもとに向かうシーンで終わる。
その後に撮影中のスナップがカラーで追加される。ここでだって、何も言わない。ただ映画は口約束ではなく、ちゃんと作られた。約束通り上映時間は47分の短編映画。