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映画・演劇のレビュー

『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A´s 』

2012-07-31 23:25:13 | 映画
 こんな映画を見るつもりは一切なかった。だが、偶然、この映画の封切りの前日だ。日本橋を用事で歩いていたのだが、この映画の宣伝の幟が、延々と続くのを目撃してしまった。ここまでするか、と感心したのだが、なんだかよくわからないけど、その時このアニメってなんかすごそうだ、と思った。それが見るきっかけだ。興味はなかったけど、そこになんだか運命的なものを感じて見に行くことにした。結構偶然の出会いって好きなので、しかも、一番の原因はTOHOのフリーパスの有効期限が切れる直前に公開というナイスタイミングで、日曜の朝、偶然にもちゃんと3時間時間があったのだ。そこで劇場に行く。

 上映10分前になんばTOHOについたのに、人が延々と並んでいて、チケットが買えず、結局本編が始まって5分以上過ぎてる時間にようやく劇場の中に入れた。だから、最初の5分強は残念だが見れなかった。とてもがっかりだ。まぁ、映画はなんと2時間半の大作だったのであれだけど。つまらなければ、きついと思ったのだが、大丈夫だった。

 いや、かなり面白いのだ。世の中にはいろんなものがるな、と改めて実感させられた。美少女アニメなんて、オタクの方たちだけの世界ではないか、と高を括っていたが、実はそうではない。いいものは、いいのだ。

 お話がとてもよく出来ている。単純な勧善懲悪にはならないのがいい。主人公の「なのは」(名前が平仮名なので書きにくい)とその友だちであるフェイトちゃんの話よりも、彼女たちを追いつめていくはずの魔導書を偶然手にした「はやて」ちゃんの側の話に力点を置くという構造は本来ならありえない展開なのだが、それがこの作品をおもしろくしている。自分たちの幸せを追い求めるために周囲に迷惑をかけるわけにはいかない。そんなの当たり前の話だ。だが、まず、すべてに優先して大事なのは家族だ、ということも事実だろう。それが擬似家族であっても、である。いや、この話は本来自分たちが守るべき存在である主人に彼らが助けられ、暖かい家庭の歓びを与えられたことで、彼女を仕事としてではなく、ひとりの人間として好きになり、なんとかして彼女の命を助けたいと思う、という話だ。魔導書の守護神である4人(だったよね)が、いかにしてはやてちゃんを守るのか、という話だ。

 美少女アニメで、小学生が主人公なんて、もうそれだけで敬遠するところだが、せっかくのチャンスなので食わず嫌いにならず、見てよかった。かなり、はまってしまった。2時間半もあるのに、退屈させないというのも、凄い。ハッピーエンドのラストもよかったし。公開2日目の日曜の朝、なんばTOHOの一番大きなスクリーンで上映していた。マニアの人たちで溢れかえる劇場で、小さくなって見た。なんだかそれだけで、ドキドキした。全くの部外者なので、肩身が狭かったし。  

                             もう2週間以上前の話だ。


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