これはアメリカ映画ではなく、オーストラリア映画だ。今のあの国の抱える問題を切り取る。ミステリー仕立てだが、描きたいのは犯罪や犯人捜しではない。乾ききった大地を舞台にして、そこに暮らす人々の渇いた心を描くことが作り手の意図だ。ここで起こる殺人は、この閉鎖的な町だから、ではなく、360日以上の日々、ずっと雨が降らない土地で暮らすことの意味や、ここで暮らす人々の祈り、諦めがこのお話の背後にはある。彼らは . . . 本文を読む
初めて蜂須賀敬明という作家の作品を読んだのだが、これがまぁすごい。こんな小説家がいたんだ、と感心した。まぁ、当たり前の話だ。世の中には僕が知らないだけでいろんな凄い作家がいるのだろう。僕が読む本なんてせいぜい年に300冊程度なんだからね。(しかも自分の趣味の範囲からはずれた作品は読まないし)彼はこれまでエンタメ志向の作品を書いていたようだから今まで僕の視野に入らなかったのだろう。バトルロワイヤル小 . . . 本文を読む