これはないわ、と思いつつ、でも、とても気になった。仕方なく、公開最終週、レイトショーで1回こっきり上映されている劇場に足を運んだ。岩井俊二監督最新作を見逃すわけはない。だが、アニメーションであることと、今なぜ、『花とアリス』再び、なのか。よくわからなくて、大切なものに傷をつけるような気にもなって。怖くて行けなかった。
『花とアリス』は大好きな映画だ。でも、あまりにお誂え向きで、鼻につく。少女趣 . . . 本文を読む
これを読みながら、こそばゆいような、恥ずかしいような、隠しておきたい自分だけの秘密の部屋を覗かれたような。昔々のお話で、自分が子供の頃のあこがれを形にしたような。きっと高校生くらいの時の僕が夢見た(あこがれた)風景がそこにはある。少女趣味で人には言えない。でも、ひそかに思い描いた理想郷。でも、今の十分すぎるほど大人になった自分にはそれはもう照れくさいし、素直にその世界を受け入れられない。ないわぁ、 . . . 本文を読む
今回のブルーシャトル・プロデュースの挑戦は「歴史もの」なのだが、単純に歴史ネタでエンタメするのではない。激しい戦いを2時間半にわたり、延々ととめどなく見せていく。その圧倒的なダンス・パフォーマンスを通して戦乱の世の無常を表現する。
だが、ストーリーはここでは「あってなきが如し」だ。大体、これは誰もがよく知っているお話なのだから、つまらない説明なんかはいらない。もちろん、ストーリーテラーである大塚 . . . 本文を読む
久しぶりに態変を見た。とても新鮮な感動があった。それはこの作品が初心に帰ったようなシンプルな作品だったことにもよるのだろう。冒頭の金満里さんのソロがすばらしい。そこに彼女が「ある」だけで、圧倒的な説得力を感じた。それは原初的な風景だ。「何か」が始まる。もちろんそれはこの作品全体のテーマを象徴する。生命の誕生である。そこから始まるドラマを6人の役者たちが体現する。
役者たちのパフォーマンスをフォロ . . . 本文を読む