習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『チョコレートドーナツ』

2014-05-24 22:26:32 | 映画
マルコの好物はチョコレートドーナツ。だから、この映画の日本版タイトルは、そこを取り上げる。原題は『ANY DAY NOW』。こんなにも情緒的ではない。 これはとても重い映画だ。彼らの前に横たわる現実は厳しい。善意からの行為であっても、法はそれを許さない。差別と偏見は彼らの愛を引き裂いてしまう。甘い映画にする気はない。しかし、邦題の優しさは好きだ。 ドラッグクイーンと、彼を好きになる弁護士 . . . 本文を読む
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『万能鑑定士Q モナリザの瞳』

2014-05-24 22:24:22 | 映画
どうしてこんなにもつまらない映画になってしまったのだろうか。『GANTZ』2部作、『図書館戦争』の佐藤信介監督作品なのに、である。スケールの大きなエンタメをきちんとリアルに見せていくことを得意とする彼なのに、今回の設定はまったく生かすことが出来ていない。もちろんこれは、お話自体にはスペクタクルな要素はあるのだが、映像としてそれを見せることがとても難しいタイプの小説で、それを視覚化するのは、とても . . . 本文を読む
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藤野可織『ファイナルガール』

2014-05-24 22:23:35 | その他
 「愛は可怪しい」と帯にある。赤い帯で中心にそれだけが書かれてある。この短編集はかなりヤバイ。一筋縄ではいかない作品ばかりが並ぶ。これを恋愛小説と呼ぶのは、もうその時点で十分ヤバイのだが、敢えてそう呼ぶことで、ジャンルそのものがボーダレスなものになるだけではなく、愛というものの定義すら、もう一度根底から問い直さなくてはならなくなる。恋愛感情というものが誰に向けて発せられ、それによって人はどうなって . . . 本文を読む
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