習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『漫才ギャング』

2011-03-06 23:58:18 | 映画
 この話で上映時間が2時間17分もある。それってむちゃくちゃである。だけど、品川ヒロシの熱い思いは、このB級プログラムピクチャー的素材をA級超大作レベルの上映時間に変えてしまう。あっぱれである。しかも、この長さを感じさせない。  他人から見れば落ちこぼれでしかない2人(佐藤隆太、上地雄輔)が、留置所で出会い、意気投合し漫才コンビを組む、なんていうベタな話だ。それを、2人を囲む「いかにも」な人たち . . . 本文を読む
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小川洋子『妄想気分』

2011-03-06 23:52:01 | その他
小川洋子のこのエッセイ集を読みながら、僕はこの人と、とてもよく似た考え方をしている、と思った。それって、なんかおこがましい言い方で、あれなんだけど。ここに書かれてあることのひとつひとつがとてもよく分かる気がするのだ。だから、僕は彼女のフアンなんだろうけど。  いくつかのエピソードの中で、日常の中にある異界への入り口が描かれる。でも、それは考えるまでもないほどにあたりまえのことばかりだ。甲子園の . . . 本文を読む
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『シリアスマン』

2011-03-06 00:24:54 | 映画
 1967年、アメリカ、ユダヤ人コミュニティーを背景にしたある家族の物語。主人公の大学教授に降りかかるド外れな災難の数々が描かれていく。彼は真面目すぎるくらいに真面目に生きているのに、あり得ないような災難が襲いかかる。そのほとんどは彼のせいではない。理不尽なものばかりだ。でも、彼は誠実にその災厄と向き合っていくし、ちゃんと受け入れていくのだ。  表情も変えずに、受け止める。そんな姿を、ただ淡々と . . . 本文を読む
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宮下奈都『田舎の紳士服店のモデルの妻』

2011-03-06 00:10:34 | その他
このなんとも切れの悪いタイトルそのままの小説である。だから、宮下さんの意図した通りということだ。東京から夫の故郷である北陸の田舎の町にやってきた4人家族。梨々子はこんなところに来たくはなかった。夫はノイローゼになり、仕事を辞めてしまい、実家の家業を手伝いながら、生活することになる。幼い子供2人を連れて、こんな何もない田舎の町で死んだように暮らす。そんな10年間のお話である。 田舎で燻るように . . . 本文を読む
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