山崎哲の台本にまっこう勝負で挑む中村賢司さんの渾身の作品。重くて暗い。見ていて息が詰まる。遊びは当然まるでない。そんなことをしている余裕はここにはない。生真面目で頑固。そういう意味ではとても中村さんらしい作品になっている。だから、とても緊張させられる。肩に力が入るし、見終えた時には、ぐったり疲れてしまった。
でも、近年ここまで真剣な芝居を見たことがなかった。それは他の芝居がつまらないとか、不 . . . 本文を読む
ニウ・チェンザー監督、主演による自伝的作品。台湾において1本の映画を撮るためにはこんなにも大変な思いをしなくてはならないのか、ということにまずは驚かされる。どこの国でもそんなことは同じだ、とは思わない。今時こんな接待とかあるのか? よくわからないがなんだか、すごい。
この映画に於いて、映画監督の仕事はお金を集めることだ。出資者を集めて接待のくり返し、おべっかを使って資金を集めること。そんな日 . . . 本文を読む
大学を卒業する前にどうしてもやっておきたいことがある。自転車で台湾を1周することだ。チェン・ホァイエン(陳懐恩)監督のこの作品が描く旅は、ささやかな挑戦かもしてないが、主人公である青年(イーストン・ドン)にとってはとても大きな冒険だ。耳が不自由で、上手く人との会話が出来ない彼が、たったひとりで旅をする。
旅の途上でいろんな人と出会う。たった1週間の旅である。でも、これはこれで過酷なこともたく . . . 本文を読む