前半がかなり厳しい。いつまでたっても芝居の全貌が見えてこない。今、ここで何が起こっているのかは、わかる。しかし、それが彼らにとってどういうことなのか、この芝居が描こうとするものは何か、それが見えないままどんどん芝居は進んでいく。というか、芝居は先に進むことなく、停滞していくように見える。
後藤七重演じる姉(アン)が、車の上に乗って傘を猟銃に見立てて構えるところ、上から四方八方に散っていった人 . . . 本文を読む
前半はとても面白い。日常の描写を描きながらも、2人の間に生じている齟齬が、ドキドキするよなタッチで描かれていく。学生結婚をして、そのままそのとき住んでいた下宿で、生活を始めた。そんな部屋で今も暮らしている。25歳になり、自分たちの生活を見つめなおそうとする。そんな平凡な2人の物語だ。
仕事を終えて帰ってきた夫と妻の静かな時間。夫は2人の思い出が詰まったアルバムを見る。妻は彼のために夜食用のお . . . 本文を読む
とても抑えたタッチで、のほほんとこの異常な事態を描いていく。全体は、8ヶ月、16ヶ月、27ヶ月という3つの時間から構成されている。コメディーではなく、一応シリアスで、このとんでもない出来事の顛末を見せる。
いつまでたっても生まれてこない子供を待ち続ける母(中島知子)と父(西島秀俊)の心の成長を描くのが眼目のようだ。過剰なリアクションで笑わせるなんて事はしない。人間関係の微妙さでなら、少し笑わ . . . 本文を読む