昨夜、やっとこの作品を見てきた。これでようやく3本とも見たことになる。今回も企画制作の佐藤さんの思い通りの作品が3本出来上がった。そんな中で、寺山ではなく「テラヤマ」作品を作るというそんな使命を一番見事に達成したのは、この末満作品ではないか。
ピースビットの末満さんは、最初から最後まで、一気に突っ走っていく。自分の方法論で、この戯曲を構築して見せる。天晴れである。この作品は寺山のエッセンスが . . . 本文を読む
この芝居の完成度の低さは尋常ではない。もうほとんど学芸会の域である。しかも、それがあの大塚雅史さんの演出のによるものであるという事実に驚きを禁じえない。
ライティングや音響といったスタッフワークである程度形になる芝居を作ることは、彼の技術をもってすれば至極簡単なことに相違ない。にもかかわらず、そういうところに逃げたりしなかった。稚拙は覚悟の上で、見せていく。
以前の彼なら、こんな恐ろしい . . . 本文を読む
昨日2度目の『レミング』鑑賞。この文は初日(2月23日)に10分遅刻して見た時のものなので、幾分今の感想とは違う。芝居は2回見るとかなり違った見え方がすることがある。特にストーリーを中心に構成しないものはその傾向が強い。今回の作品は繰り返しの鑑賞に充分耐える傑作である。以下、初日の興奮が書かれた文章を掲載する。
昨年の佐藤香聲による初演を見た時の印象とは、まるで違う作品になっていることにま . . . 本文を読む
世界中を飛び回ったスケールの大きい映画だが、ちょっとがっかりな出来だった。あまりにも話が単純すぎてたった88分の上映時間なのに、途中から退屈してくるのだ。
空間をジャンプして、どこへでも行けるなんていう特殊な能力を身に付けてしまった男(『スターウォーズ』でダークサイドに落ちる主人公を演じたヘンデイ・クリステンセン)が、世界を股にかけて好き勝手してお気楽に生きる、なんていう話なのだが、ストーリ . . . 本文を読む
幾分観念的で硬い芝居だ。エンタテインメントはしていない。マッチ箱を模した象徴的な舞台美術は、シンプルで美しい。箱の部分がアクティングエリアとなり、背後にはマッチの棒があしらわれる。その棒の本数は気付くと、変化していたりもする。けっこう手が込んでいる。
ゼーダーマン氏(や乃えいじ)の屋敷を舞台に、そこにやって来た放火犯と思われる男(信平エステベス)とのやりとりが描かれる。追い払いたいのだが、上 . . . 本文を読む
1時間ほどの小さなお芝居だ。だが、このスケールはこの内容と見事に合う。適正な尺が芝居には必要だ。もちろん芝居だけではない。表現ならば、必ずそうであろう。間尺に合わない作品を見せられた時の居心地の悪さは何度も体験したことがある。ギリギリで成立している作品の心地よさがこの芝居にはある。
船戸香里によるひとり芝居。一切セリフはない。無言劇だ。彼女が仕事を終えてひとり暮らしのマンションに帰ってきて眠 . . . 本文を読む
「偉大な父を持つ男の孤独な闘い」という実に刺激的なキャッチコピーに心惹かれた。『ショーン・レノン対地底人』という明らかに高橋源一郎の『ジョン・レノン対火星人』へのオマージュとわかるタイトル。そして、60年代の東宝特撮映画を思わせるキッチュなデザインのフライヤー。土橋淳志さんのこの新作に期待を寄せない人はまず、いまい。みんなこの作品の完成を固唾を呑んで待っていた!
何をさしおいても、この芝居を . . . 本文を読む