前回紹介した「すばらしきサンバの仲間たち」に優るとも劣らないアルバム。
こちらも「すばらしきサンバの仲間たち」同様に伝統サンバの守り手、所謂ホンモノのサンバ愛好家(尊敬の念を込めてサンビスタと言う)達によって制作されている。
元々彼等サンバ愛好家はプロの歌い手ではなく、人気歌手らに自作の曲を提供してきた人達。
従って決して唄は上手くないが、素朴で何とも言えない味わいがある。
このアルバムでは、ネルソン・カヴァキーニョ、カンデイア、ギリェルミ・ジ・ブリート、エルトン・メディロスの4人のサンビスタと、1曲だけだが女性サンビスタのドナ・イヴォーニ・ララが参加している。
「すばらしきサンバの仲間たち」が気に入った人は、このアルバムも是非聴いて欲しい。
サンバの巨匠たち~Quatro Grandes Do Samba
新星堂オーマガトキ SC-3112 ¥2,039
1,来ないでくれよ~Nao Vem(Assim Nao Da)
ネルソン・カヴァキーニョ、カンデイア、ギリェルミ・ジ・ブリート、エルトン・メディロス
~Nelson Cavaquinho, Candeia, Guilherme De Brito, Elton Medeiros
2,夢からさめて~Sem Ilusao
エルトン・メディロス~Elton Medeiros
3,知らせ~Noticia
ネルソン・カヴァキーニョ~Nelson Cavaquinho
4,メドレー:花ととげ~A Flor E O Espinho
俺が旅だったら~Quando Eu Me Chamar Saudade
ギリェルミ・ジ・ブリート~Guilherme De Brito
5,完全なる愛~Amor Perfeito
ネルソン・カヴァキーニョ~Nelson Cavaquinho
6,月光の雫~Gotas De Luar
ギリェルミ・ジ・ブリート~Guilherme De Brito
7,俺はサンバ~Sou Mais O Samba
カンデイア、ドナ・イヴォーニ・ララ~Candeia, Dona Ivone Lara
8,人生~A Vida
ギリェルミ・ジ・ブリート~Guilherme De Brito
9,おまえだけじゃない~Nao E So Voce
ネルソン・カヴァキーニョ~Nelson Cavaquinho
10,どっちつかず~Chove E Nao Molha
エルトン・メディロス~Elton Medeiros
11,おまえのまなざし~Expressao Do Teu Olhar
カンデイア~Candeia
12,ヒッタ・マロッカ~Rita Maloca
エルトン・メディロス~Elton Medeiros
1977年録音
サンバという音楽の素晴らしさを教えてくれる、正にサンバの教科書とも言えるアルバムである。
1960年代のブラジルでは伝統サンバの守護者たる人達、云わばサンバの原点ともいえる人達にスポットが当てられ、一大ムーブメントとなった。
そして、そのムーブメントは70年代後半にピークを迎える。
本作品は丁度その頃に録音されたモノである。
アルバムを聴き込むうちに味わいのある唄と、醸し出されるサンバのリズムにグイグイと惹き込まれていく。
参加しているメンバーは、イズマエール・シルヴァ、ネルソン・カヴァキーニョ、マノ・デシオ・ダ・ヴィオーラなど伝統サンバの守護者達である。
すばらしきサンバの仲間たち~Encontro Com A Velha Guaruda
新星堂オーマガトキ SC-3111 ¥2,039
1,懐かしいあの頃~Saudade Do Passado
マノ・デシオ・ダ・ヴィオーラ~Mano Decio Da Viora
2,最低賃金~Salario Minimo
エルナーニ・ジ・アルヴァレンガ~Hemani De Alvarenga
3,信じる幸せ~Feliz E Quem Sabe Esperar
ノエル・ローザ・ジ・オリヴェイラ~Noel Rosa De Oliveira
4,恩知らず~Ingratidao
イズマエール・シルヴァ~Ismael Silva
5,卵の白身~Clala De Ovo
ドゥドゥーカ~Duduca
6,こんなもんさ~E Por Aqui
ワルテル・ローザ~Walter Rosa
7,最後の審判~Juizo Final
ネルソン・カヴァキーニョ~Nelson Cavaquinho
8,大食いコンクール~Concurso Para Enfarte
オズヴァルド・ド・サントス~Oswaldo Dos Santos
9,笑ってやるさ~Eu Vou Sorrir
イラシ・セーラ~Iracy Serra
10,素晴らしいバイーア~Peliquias Da Bahia
ペラード・ダ・マンゲイラ~Pelado Da Mangueira
1976年録音
このアルバムは過去3度日本で発売されているが、1979年に「クリスタル・イリュージョン」というタイトルで発売されたLPで初めて彼女の存在を知った記憶が有る。
エリス・レジーナは1945年ブラジル南部のポルト・アレグリ生まれ。14歳でラジオやTVに出演、その後フィリップス・レコードと契約。1966年に音楽祭で1位を獲得し、彼女の人気は不動のものとなった。
ボサ・ノヴァ黎明期の歌手ナラ・レオンやアストラッド・ジルベルト等の囁くような歌い方と違って、エリスの唄はクールでは有るが力強さを感じさせる。
このアルバムは1969年にブラジルでリリースされたエリスのヒット作である。
ミルトン・ナシメント、ヴィニシウス・ジ・モラエス、バーデン・パウエルそして鬼才エドゥ・ロボ等の作品を採り上げており、特にナシメント作の3、多重録音されたロボ作の4、モラエス=パウエル作の5は今聴いても素晴らしい。
尚、本CDには4曲のボーナス・トラックがプラスされている。
Eris Regina / Como & Porque+4
ユニバーサル・ミュージック UICY-90146
¥1,500
1,ブラジルの水彩画~ネガ・ド・カベーロ・トゥーロ
=Aquarela Do Brasil~Nega Do Cabelo Duro
2,夢
=O Sanho
3,ヴェラ・クルス
=Vera Cruz
4,カーザ・フォルチ
=Casa Forte
5,オサーニャの歌
=Canto De Ossanha
6,ジーロ
=Giro
7,小舟
=O Baquinho
8,道のり
=Andanca
9,レシ・ド・カサール(シェルブールの雨傘より)
=Recit De Cassard(do filme "Les Parapluies de Cherbourg")
10,サンバ・ダ・ペルグンタ
=Samba Da Pergunta
11,マルタ・サレーの想い出
=Memorias De Marta Sare
12,デイシャ
=Deixa
13,ア・ノイチ・メウ・ベン(愛の夜)
=A Noite Do Meu Bem(Le Nuit De Mon Amour)
14,マスカレードの夜(デュオ・ウイズ・ピエール・バルー)
=Noite Dos Mascarados(com Pierre Barouh)
15,トリステーザ
=Trisuteza
※12~15 ボーナス・トラック