あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

おばんちゃ山

2006-01-27 23:58:34 | 思い出



とある地区の外れにある、おばんちゃ山。
お婆さんの腰が曲がっている姿から、そう言われていた。

今は雪を被って葉の落ちた木が一本立っているだけだが
むかし…私たちの小さな頃は、そこでよく遊んだものだった。

山といっても、こんもりとしたごくごく小さな丘なのだが
何故だろう…子供の頃は、とてつもなく大きな丘だったような気がする。

その丘の脇には、小さな小川が流れていて、水辺には何本かの桑の木があり
私たちは口の中を紫色に染めながら食べたものだった…。
また桑の実をポケットに入れて、ポケットに桑の汁がついて よく怒られもした。

そこに行けば、いつも誰かしらが居て遊ぶ事は事欠かなく
春にはタンポポの綿毛を飛ばし
夏には一本だけの、何と言う木なのか? 木陰で食べたトマト。
秋には丘の上で鬼ごっこをしたり、冬にはソリ遊びをしていた…。

シロツメグサの首飾りや冠、仲良しの友達との弁当持ち
ガキ大将に泣かされたり、雑誌を持ち寄って読んだ木陰
スカナ…(すかんぽ)に塩をつけて食べたりもした。
小川にはメダカやサワガニなどもいて、かっこうな遊び場になっていた。

すかんぽ=すいば【酸葉】:タデ科の多年草で原野や土手に多く見られる。
茎は往々紅紫色・雌雄異株・初夏に淡緑色の花が咲く。
若い茎・若葉はともに食用となり、蓚酸を多く含み酸味が強いのでこの名がある。

因みに、強烈に酸っぱいので私の所では「スカナ」と呼んで
若い茎の皮をむいて子供頃のおやつとした。
シュウ酸を含むので食べ過ぎるとよくないようだが
フランス料理ではよく使われるらしい。

子供の頃の思い出の、おばんちゃ山。

あの頃は高額なゲームや玩具などはなかったけど
誰もが暗くなるまで遊んで、夕暮れの中帰り道…懐かしいなぁ。
今はもう、帰りたいけど帰れなくなってしまった。

大人になって、あんなに大きかった丘もこじんまりとして
昔の面影も、子供達の遊ぶ姿も見られなくなってしまったけど
何時になっても子供の頃の思い出が、心の中のしこりのようになって残っている。
コメント (32)
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