二月から “ 茶チーム・和の輪 ”、立礼(りゅうれい)の点前の勉強中。
薄茶点前から始め濃茶点前、初炭手前、後炭手前と進み、五月の中旬に立礼で茶事をすることになった。
チームの皆さん、茶事の手順は心得ておられるので、ことさらあれこれと言わなくてもいいのが助かる。
今回のテーマは “ 五月 杜若の趣向にて ”と決まった。
主菓子は唐衣、干菓子は杜若(かきつばた)と水、それらを使うとなると、色好み在原業平らしい男性の風流な物語、業平の歌集を原型としている百二十五段の短い伊勢物語が連想される。
その伊勢物語の第九段「東下り」、“ 三河の国八橋といふ所にいたりぬ ”、八橋は今の愛知県知立市逢妻川の南辺りらしいが、“ その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり ” とあり、
から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ と、詠んでいる。
花を見たさる人に、“ かきつばたといふ五(いつ)文字を句の上(かみ)にすゑて、旅の心をよめ ” と言われて詠んだとあってつとに有名だが、この歌を A さんが待合の短冊に書いて下さるのも嬉しい。
伊勢物語は、各段が、「むかし、男(ありけり)」で始まっているのも面白い。
初段の「初冠」(うひかうぶり)は、男子が元服して初めて冠を着けることらしいが、“ 初冠して平城(なら)の京春日の里にしるよしして・・・ ” も、よく知られている。
先の短冊もそうだが、茶事のテーマを皆で連想しながら、使える道具、使う道具を組み立ててゆく。
お金を出して求めることもあるが、手持ちの道具を活かせるように考え工夫する、これもまた茶事のひとつの楽しみ方、頭の体操という別の楽しみ方でもある。
亭主と水屋方、濃茶、薄茶、初炭、後炭の担当、正客も決まり、後はその日、五月晴れであれと祈るばかり。
写真は、N さんがお持ち下さった「苧環」、U さんからの「花筏」、ペトロ が散歩の途中に撮ったという桜の下の「藪椿」、どの花も淡い儚さが美しい。 (
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Peter & Catherine’s Travel. Tour No.601
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