手軽に楽しめる “ 盆略点前 ”、少し専門的になる。
お盆は円形で天、即ち陽を表し、方形は地、即ち陰でそれを服紗で表す。
この頃は、服紗を腰に付けて点前を始めるが、お茶を習い始めた半世紀?以上も前の頃、服紗はお盆の上に掛けていた。これは、天円地方という、天地中和を示す。
お盆の中は中和となるように棗が天で、仕組んだ茶碗は地となり、必ず上下に並べる(写真上)。
扱うとき棗は右手で上から持つ。右手は陰で棗は陽、これで中和となる。
茶碗は陰で左手は陽だから、左手に茶碗を下から持つことで中和となる。
陰と陰、陽と陽では反発、ぶつかる。要するに合わない。
簡単に言えば、左手と左手、右手と右手では、手は合わさらないということ。
茶道では道具の置き場所や、扱い方に陰陽中和の精神が生きている。
陰、陽そのもの自体は万物を発生する力は無く、陰陽が交感することで物事の変化が生じるとする3500年以前に中国の古代哲学が教えているが、茶道の世界にも息づいている。
茶道は日本独特の文化だが、根底の思想に中国の哲学の影響があり仏教の理念がある。
使用する茶道具は中国、韓国、東南アジアの伝来物も多く、広く大きな交感の中から生まれた文化だ。
陰陽の世界は、ちょっと占いっぽい感じもあるけれど、森羅万象すべからく天と地、上と下、左と右、裏と表、相対的なものは数え切れないですよね。
長い年月の間に茶道の点前は洗練され、現代の私たちは先人の知恵のエッセンスを学んでいる。
少し長くなったが、知れば知るほど、「茶道って面白い」と思いません?
以前生けた花を乾燥させてリース(写真下)にしたが、これも円相に通ずると思っている。()
Peter & Catherine’s Travel Tour No.366