11時頃、ルーアン右岸駅に着いた。
かつてノルマンディー公国の首府だったこの街、見所は、セーヌ川の北側、右岸にある。
話はそれるが、地理の勉強を少し。
ノルマンディー地方雨が多く、ワインの産地ボルドーやブルゴーニュ地方と違って、ワインに適した葡萄が育たないという。
その代わりに、神がこの地に与え給うたもの? それは、雨に育まれた地での酪農と林檎作り。
良し悪しは分からぬもののペトロ の好きなカマンベール・チーズとか、葡萄はからっきしだが豊富に採れる林檎から醸造したシードルや火をつければ燃えるというカルヴァドスといった林檎酒がここで産まれるという。
話は戻って、ルーアン右岸駅に降りた時、空は青く澄み秋の気配が濃く漂っていた。
駅前の道をセーヌ川に向かって真っ直ぐに下ると旧市街。
15世紀から16紀にかけて造られたファサードの装飾が素晴しい裁判所。
近くには、16世紀に作られたルネサンス様式の大時計(写真上)があって、今も正確に時を刻んでいるという。
大時計を潜ると、正面に見えてくるのが、12世紀に始まり16世紀に完成したとされるノートル・ダム大聖堂(写真中)。
案内書に、“ フランボワイヤン・ゴシック様式の装飾が美しい ” とあり、“ 火災や戦争で修復が絶え間なかった ” ともあった。
モネが、フランスで一番高いとされる尖塔を持つこの大聖堂を飽かず描いたことは知られているが、その数、実に30点を超えるらしい。
この後訪ねるルーアン美術館も、そのうちの一点、「ルーアン大聖堂 ‐ 曇天」を所蔵している。
当時、モネが逗留したホテルが聖堂広場のまん前にあったらしいが、今は観光案内センタになっていた。
ところで、この大聖堂、ランチ・タイム? があって、12時から2時間扉が閉まる。
で、聖堂の横手、ブラッセリア・ポール(写真下)に入った。
ほぼ満席のこの店、混む理由が分かった。
ボーイさん、ランチのセット・メニューは、「ボリュウームがあるから」と、酒飲みのペトロには前菜とメイン、飲まないカタリナにはメインとデザートを、と実に丁寧なのだ。
料理が美味しいこともあるが、アテンドの利いたサービスが嬉しい。
何事にもクールなカタリナ 横柄な応接には1セントたりとも余分に置かないのだが、あざとさのないものには結構弱い。
で、この店ではチップをはずんでいた、単純な奴やなあ!