ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

サン・ラザール駅(2)

2010年06月15日 | フランス

 パリで最も古いとされるサン・ラザール駅
 個の駅から、かつてノルマンディー公国の首府として栄えたルーアンに向う。

 モネは、「睡蓮」や「ルーアン大聖堂」「積みわら」など、同じモチーフの絵を何枚も描いていて、1837年に建てられたサン・ラザール駅は8枚も描いたという。
 尤も、睡蓮など、本人自身が何枚描いたか分からないのでは? と思うほど描いている。

 Photo_4駅、それは、旅への誘い。
 浮き立つような喧噪と喜び、あるいは、別離と郷愁。
 昔も今も変わらずにそこにある風景だが、モネは、それらが醸し出す情景をキャンバスに切り取った。

 ちょうど長い旅を終えて、煙や水蒸気を吐きながらゆっくりと駅舎に近づく機関車。
 線路と機関車のガラスの屋根の伸びやかな空間。
 その向こうに広がる青空と建物が、この絵に動的な広がりを与えている。

 この絵、ターナーの「グレート・ウェスタン鉄道」(ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)と、しばしば対比されることは、<マルモッタンとテートブリテン>でも書いた。

 Photo_5サン・ラザール駅、今、駅舎改装の真っただ中。

 しかし、嬉しいことに、1877年制作のオルセー美術館所蔵の「サン・ラザール駅」(写真上)に、モネが描いたガラス屋根と同じ風景がそのままにある。

 勿論、ホームで待つ列車、蒸気も煙も吐いてないが。

 ところで、SFCN・フランス国鉄、ルーアン右岸駅行きの発車ホーム、何時ものことながらなかなか発表しない。

 お節介なまでの日本の鉄道会社に慣れた日本人、ペトロ ならずとも少し苛つかされるのでは?

 カタリナ が、ハンチングが小粋な車掌さんに確かめ、列車(写真下)のシートに腰を落ち着けたのは、この駅に着いてから小半時も経っていた。

コメント
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