○ 俊輔 「お前ら間違っている」

2008-06-18 07:44:04 | ♪Weblog
06―07チャンピオンリーグ。 
ホームでのマンチェスター・ユナイテッド戦。



僕らは前半を0―0で終えた。 
ハーフタイム、 
チームメイトたちは、 
大きな疲労感を背負っていた。 
0―0とは言え、 
試合内容は圧倒的にマンチェスター・ユナイテッドのワンサイド。 
精神的にも疲れ、 
しょんぼりとした 
空気が 
ロッカールームに 
漂っていた。 



「お前ら間違っている」

キャプテンのレノンの 
でっかい怒鳴り声が 
響いた。 

「なにを落ち込んでいるんだ。お前ら。 
考えてみろよ。 
ユナイテッドを相手に俺ら引き分けているんだぞ。 
世界のビッグクラブのひとつと 
引き分けているんだ。 
落ち込む必要はない。 

相手にボールを廻されるのは当たり前だろ。 

このまま、 
俺らが踏ん張っていれば、 
相手は焦るぜ。 

『セルティック相手に0―0』だと、相手は追い込まれていく。 
そのうち、 
こっちに点を取る 
チャンスは絶対に来る。 
それまで、ユナイテッドにしがみついていけばいい」

レノンの言葉に
チームメイトの顔が 
パッと明るくなった。 

そして後半、 
僕のフリーキックが決まり先制すると、 
残りの時間は防戦一方。 
怒涛のマンチェスター・ユナイテッドの攻撃から、 身を挺して、 
ゴールを守り続け、 
僕ら勝利を手にした。