前期高齢者候補が集う、この木馬。
誰からともなしに 自然に老いの話になだれ込むのが恒例になっている。
親しかった人が、次から次へと亡くなっていくということもあるけど、やはり、おひとり様が多いので、不安があるのだと思う。
でも私たちは明るい。
自分もいずれ死ぬ、とわかっているから、ぼちぼち覚悟しなきゃならないと思っているから・・・
「あの世で又デートしような。」「だめだめ、お父さんが待っているから。」「お父さんにはあの世でいいのができてるよ。」
何やかやいっても、冥界を信じている我々。それがなんともおかしい。
人間は自分の死を体験できないし、死ぬということは「自分が死んだ」という意識をも消滅させてしまい、死なんて死んでみなけりゃわからないよ、なるようになる、考えても仕方ないよね。でいつも話は終わるのです。
そんなある日、棺桶の話になった。
メタボで図抜け大一番小判形の人も特注で高いだろうけど、トンボのように長くて細いのも特注で高いだろうね、と皆で笑った。
棺桶に金なんてかけられないし、かといって普通サイズに足を折って入れられるのは嫌だし、先に丸穴を二つあけてもらって足先を出すのはどう?バカだねぇ。
何でも並みが一番です。
所変われば品変わるで、fujimiさんの知り合いの広島では 献花の花だけちぎってお棺にビッチり顔だけ残して詰めるらしい。
江津でも 最近は一張羅の背広を着せてもらって冥土に行く人が増えたとか、後期高齢者のSさんが言う、六文銭も入れなくちゃならないねとか、話が盛り上がった時、トンボがぽつりと言った。
「俺は棺桶には”そんなの関係ない”の小島よしお のように、水泳パンツ一枚でいい。顔にはゴーグルつけて、首にはスイミングの会員証。後はなにもいらない。」
「花はいらんの?」
「花は一輪でいい」
「胸に?置くの?」
「水戸さまよ。水戸様に突きさしてよ。」
「薔薇の花?蘭の花?」
「そりゃ黄色の菊の花でしょう、なにしろ水戸様だけぇねぇ」
ったく!!
晴れ 7℃