トンボが何を血迷ったのか、穴あきジーンズ(それもローライズ)でやって来た。
あちこち穴が開いている。
「私は、こんな蚊に咬まれそうな穴の開いたのや、破れたような、ゴミのようなファッションは好きになれない。」と言ったら、おしゃれに年齢はないのだし、なんでも挑戦して、若い気持ちを維持いないとね。」相変わらずバカバカしくて、笑う気にもなれない。
「このジーンズの悪い所は、おしっこする時、ファスナーが短いから、ホースが出にくい。ベルト部分を、はずさなければ出ない。」訳のわからない事言っていた。
そんなある日、
木馬でコーヒー飲んでいたら突然 アラームが鳴り出した。「何の音?何の知らせ?」それぞれ携帯を確認したり、キョロキョロしていたら「俺、俺、」トンボが叫ぶ。
「防災訓練の時間だ。」
アルバイト先の訓練日及び時間をすぐ忘れるらしく、登録していたらしい。
あわてて出かけて言ったにもかかわらず、すぐ帰ってきた。「もう終わったん?」
「誰もおらず、聞いたら明日だと言われた。」
「最近 物忘れが激しくて、昨夜も書斎から一階に降りてきたのに何しに降りてきたのかわからなくて、また二階にあがってから、トイレに行くのに気が付いた。」
それを聞いた“とらたぬ”がすかさず相槌を打つ。
「わしも同じ、めがねはなくすわ、家の鍵はなくすわ、この前なんか、車で飲みに行き、車をどこに置いたかわからんようになった。」
トンボが言う、「あんた、仕事もう辞めて、遊ぼうや、そんなスカンスカン頭で仕事したら、失敗するよ、大やけどせんうちに、楽になりんさい。」
同病相哀れむとはこの事。
初老になりかけの、木馬の常連は、皆同じ。
それにしても不釣合いな、穴あきジーンズ。年齢制限はないのかね、ばかファッションに!
夜中雷大雨 午前中雨 午後晴れ 30℃