「誇」-URAWA REDS-
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連勝中。
自分たちのやり方を貫き、
最少得点差を守り切る。
“型”があることの安心感を得た数試合。
「今日、少ないかもね」
「確かに、アッパーは埋まらないかもね」
春休みが明け、子供たちや家族連れが減ったゴール裏。
「まあ、数じゃないけどね」
「でも、数も大事だよね」
「人が少ないと声が反響していい感じになるから」
「まあ、ね。」
「声か…。前より小さくなってるよね」
大きなスタジアムが内包する課題。
これから僕らはどこに向かえばいいのだろう。

GK都築
DF細貝・闘莉王・坪井・暢久
MF啓太・阿部勇樹・直輝・ロビー
FW原口・エジミウソン
リザーブ山岸・堀之内・アレックス・西澤・林・セルヒオ・高原
達也、平川が負傷離脱。
左SBはアレックスに代わり細貝、FWの一角に元気が入る。
リザーブには林と与志也。
「フィンケの中には序列があるのかなぁ」
「それに、前日練習のメンバーがそのままスタメンに入るよね」
新監督の傾向も、少しずつ分かってきた。

原口がドリブルで仕掛ける。
「やるね!ゲンキ」
ショートパスが繋がる。
「いい感じかな、今日は」
中央からの浮き球にエジミウソンが反応。
相手GKが飛び出す。
「入れ!決まれ!!」
7分、浦和先制。
「エジだよ、エジ!」
「巧いな、ロビー」
その直後、エジが抜け出しGKと対峙。
「やった!!」
仲間とタッチを交わす。
「これで楽に戦えるぞ」
「えっ?」
「ファール??」
主審の判定はノーゴール。

中盤の底で阿部勇樹、啓太が捌き、
直輝・エジ・ロビー・原口が有機的に動く。
「名古屋戦よりいいんじゃない?」
「相手16番が狙いかな?」
完全に主導権を握る浦和。
“廉価版エメ”相手20番を自由にさせない。
攻撃の芽を潰され特長が出せない京都。
「早く2点目取って(試合を)決めちゃおう」
阿部勇樹の鋭いシュートはGKクリア。
直輝のシュートはGK正面。
「決める時に決めないと、苦しくなるぞ」
圧倒的な支配率。
ただ、得点差は1。
右からのクロス、こぼれ球を拾う。
「決まった!!」
「これはい点の取り方だよ」
混戦から生まれたゴール。
待望の追加点。
「・・・。」
「オフサイド、なのか…」

前半終了、1-0。
「原口が少し消えてたかもね」
「守備はいいから取られる気はしないけど」
「相手が強くないから助かってるけど」
もう1点が奪えない。
その苦しさから来る緊張感から早く逃れたい。

後半開始。
エジのシュートが決まらない。
ロビーのクロスを原口が胸トラップ、ボレーシュート。
「惜しい!」
「当たりが良過ぎたか!?」
「落ち着いてるよね、ゲンキ」
交代の準備が進むベンチ。
強い弾道のシュートは左に逸れる。
58分、原口out高原in。
「A契約もお預けか、ゲンキ」
62分、シジクレイがベンチに下がる。
「助かった…、シジクレイ苦手だからな、ウチ」

「もう1点、何とかならないのか?」
“事故”に遭えば同点。
危険な“差”に恐怖を覚える。
ミドルシュートはクロスバー、
ヘディングシュートは都築がファインセーブ。
「しっかり、落ち着いて」
守勢に回ると途端に沈む声。
(これでいいのか!?)
相手へのブーイングは力強い。
(もっと選手たちの力になってやらなきゃ)
“跳ね”も“声”も僕には消化不良だった。
(ロングコールだっていいのに…)

残り5分。
ロビーのループはGKクリア。
86分、阿部勇樹out堀之内in。
「さっき傷んでたからかな、阿部勇樹」
ホリがそのままボランチに入る。

ロスタイム5分。
89分、ロビーoutセルヒオin。
「ゆっくり、勝ってるんだから」
無理をしない。
時間を費やす浦和。
「確実に、カウンターに気を付けて」
エジ、セルが相手陣内でボールキープ。
「粘って、頑張って」
僕の周囲からは攻撃を急かす声も。
「あとちょっとだ、守り切るぞ」
(えっ?)
(ここで、それなの?)
中心からも攻撃を意図した太鼓が聞こえる。
(勝ってるのに、時間ないのに…)

試合終了、1-0。
集中を切らさない選手たちの勝利。
切らしてしまった僕は…。
特に目の前のグループに気を取られてしまっていた。

「いつまで酒飲んでんだ?」
飲むのは勝手、だけど試合中は宴会じゃないんだから。
終始、繰り広げられた光景。

それは、ないだろ…。

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