アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

業界用語と差別表現の言い換え

2008年12月19日 | Weblog
   天丼では待てません 

 昼食に、デパートの食堂に入った。(レストランじゃないのかって?アラカン世代は、食堂というのが普通です。ギリシャ語では、「タベルナ」)いやー!たまげた!客の平均年齢、アラウンド70。私など、若手の客の部類。

 隣の席の、2人づれに、天丼と、オムライスが運ばれてきた。いやはや、カロリーの摂りすぎですよ。御高齢なのに。私に言わせると、毒を食らうようなもの。人の食べ物にケチは付けないけど。あ!もう付けてたか!給仕さんが言いいました…(ウエイター、ウエートレスと、男女の使い分けをしなくてすむので給仕と表記。これが後ほど問題になるのですが)

 「天丼でお待ちの方?」
 飲みかけの水を噴き出すところでした。天丼で待ってる訳ないだろう!「天丼を注文されたのは、どちら様でしょうか」だべ!
 「(どこどこ)で、待つ」という場合、場所を言いますよね?「ガード下で待つ」「留置所で待つ」とか。「天丼」は場所か?何とも奇妙な日本語を使う。 言われたくないのは…
「シェフのお薦め地中海定食10食限定半額サービスでお待ちの方!」
 これを言われては、周囲の客に、「安いものを食うんだなのう、年金生活者は!可哀想にのう」と、思われる。見栄っ張りとしては、屈辱である。半額だからというのではなくて、「地中海定食」って、どんな定食かと思って注文を…。あ!言い訳してしまいました。

 食堂・居酒屋などでの話し…
 注文し終わったら、「以上で、大丈夫ですか?」と、念を押されることがあります。「大丈夫」は、「立派な男子、しっかりしている、間違いない」等の意味。「・・・以上、承りました」で、いいんじゃないかなあ。

 「御飯のおかわり、大丈夫でしょうか?」というケースもある。つい、「大丈夫でーす」と答えてしまうが、御飯のおかわりにも大丈夫は合わないと思う。
 「こちらカキ酢になります」と、持ってきてくれる。「~になります?」…オタマジャクシはカエルになります。数の子はニシンになります。もうカキ酢という食べ物になってテーブルに運ばれているのに、「こちら、カキ酢になります」…なるのかホントに?3分間待つと、一皿のカキ酢が二皿になります。二皿が四皿になります。ってんなら大歓迎なのですが。
 料理が出された後…
「御注文の品はおそろいですか?」と、きかれる。「おそろい?」尊敬語ね。…自分の店の、チンしただけの粗末なものを尊敬してどうするの?「御注文の品はそろいましたでしょうか」でいいのに。

 「給仕さん」この言葉、差別用語なのだそうです。言葉狩りの対象ですね。検地・刀狩りならみんな知っているのですが…。言葉狩り…「差別用語」とされる語を一般的な用語に言い換えることを強制する風潮。自由だ!平等だ!と叫んでいる人に限って、言い換えを強制しようとするんだから。
 給仕は、ウエーター、ボーイ、ウエートレス、事務員などと言い換えるべきだそうです。ボーイがあるのに、ガールがないのは差別じゃないのか?
 新聞社には、「差別表現・不快語・注意語要覧」があり、かなり気を遣っている様子です。

 友人に、「キトピロの生える場所を知らないか」と尋ねたら、「何それ?」。「行者にんにくのことさ」それでも分からないので、「アイヌネギだよ」と、言った。近くにいた別の友人が、「おい、それ差別用語だぞ」と、非常識な奴だという目でにらんだ…。アイヌが差別用語?アイヌは「人間」という意味。新聞社でも、「絶対ダメ」ではなく、「なるべく使わない方がいいことば(注意語)」になっている。では、何と呼べばよいか?「ウタリ」…ですか?ウタリはアイヌ語で、「同胞、仲間」の意味。民族呼称ではないのですがね。
 エスキモーもあまりよくないのだそうです。これは、「人間」という意味のイヌイットに言い換える。エスキモーは、インディアンの言葉で、「生の肉を食う人」という意味なのだそう。そりゃあ言われるといやですね。

 誰が考え出すのかねえ、差別用語。自由・平等があると信じている人たちなのでしょうけど、そこまで、干渉しないでよというのも多いです。
 「カエルの子はカエル」…差別でしょうかねえこれ?「子は親に似る、親より上になれない」「凡人の子は凡人だ」という意味があるからダメなんだそうです。「カエルの子はオタマジャクシ」なら、OKなのかなあ。
「河原こじき」は、ダメ。そんな言葉使う人いないでしょう今どき。どんな意味かって?「役者」のことです。死語なのに、まだ鞭打つ…。
 「他力本願」も注意語…「他人任せ」の意味で使われてしまっており、イメージがよくない。もともと仏教用語(難しすぎて解説できない)で、「救われるという、よい意味」なのです。仏教のほうからお叱りを受けないように、なるべく使わないようにしようということのようです。
 アラカン世代は、「父兄会」「父兄参観日」がごくごく普通でしたが…「母を差別するな!」ということでしょうか、「父母~」「保護者~」に言い換えられて…これは、ほぼ定着していますね。
 「共稼ぎ」はよくない、「共働き」にしろだって!どっちでもいいんじゃないの!稼いで何が悪いの。どこかの首相のように、「しのぎ」というヤクザ言葉を使っているわけじゃないんだから。
 なお、醜男(ぶおとこ)はダメで、言い換えは、「器量の悪い男」だって…ほっといてくれ!


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