アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

髪が伸びて死にそうな人?

2021年03月14日 | Weblog
 日本の総人口の60%以上を、高齢者(行政が言うところの)が占める。御長寿、おめでたいことです。
 で、ズバリ「老人」と表現せず、「お年寄り」「高齢者」「シルバー」「シニア」等の言い換えが目立つようになってきました。
 行政は、65歳以上を「高齢者」と呼んでいます。気を遣って、「高齢者」といってくれているのは解る。しかし、なんで65歳以上なのか。高いとか低いとか、高齢とか低齢(こういう言い方はないね)とかは、「比較」で使うべきもの。線を引いて決めるものではない。富士山だって日本では高いが、世界では低い。年齢については、「100歳を越えたら高齢者」ならぁ、キリがいので線引きを許しましょうか。

 「老人」という言葉ですが、白川静さんの説では…久しぶりに出ました白川静先生。
 老の字の「匕(さじのひ)」の上にあるのは、「長髪がたれている様」なんだと。「匕」は、「横たわっている死に近い人」なんだと!つまり、「髪が伸びて、死にそうな人」を「老人」と、書き表す。フムフム、これなら、高齢者、お年寄り、シルバー等の言い換えも頷ける。

 疑問点としては、「ハゲの場合、老人には当てはまらない」のではないかということ。髪の長い人が「老人」。ハゲの場合は、「ハゲ老人(ハゲて、髪が伸びて、死にそうな人…という意味になる。これは日本語としておかしい)」ではなく、単なる「ハゲ」だね。

 「老」が付く縁起の良い熟語はないのか?
 「老成」…いいねえ! 「大老、老中、家老」…立派!「老巧、老練」…少々ずるそうだが、良い言葉。「老舗、老酒、老師」…これは素晴らしい。
 四文字熟語には、良い意味の「老」が多い。
 「老少不定」…老人が先に死に、若者が後から死ぬとは限らない。
「老成円熟」…人格・知識・技能・教養などが十分に熟達していること
 「老成持重」…十分に経験を積んで物事に長じ、しかも慎重なこと。
「老婆心切」…慈愛の心が深く厚いこと。読むとき、「老婆心」で切らないように。「ろうばしんせつ」と続けて読む。

 なにぃ?反撃? 
老死、老醜、老獪、老衰、老弱、老骨、老害、痴呆・・・もうやめてくれーっ!どさくさ紛れに、痴呆を入れるなーっ!ちゃっかり、老害も入れてるなぁーっ!森さんはもう会長を退かれたんだから、老害をもち出すなよ!なぬ?「小説家のほうの森さんだ」って?そ、そ、それなら「老害」じゃなくて「鴎外」でしょうがぁ!


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