アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「絆」は、漢字のテストに出るの?

2024年09月02日 | Weblog
 視覚障害のランナーと、一緒に走る伴走者。スタートからゴールまで誘導します。 1メートル程度の「ガイドロープ」をランナーと伴走者がそれぞれ持ち、声で方向や周囲の状況などを伝える。嫌がるランナーを無理矢理引っ張るのは、失格ですね。
 このガイドロープですが、「絆(きづな)」と呼ばれています。この話だけで、私など泣きたくなってしまいます。「これこそ絆だよなあ」と、思います。

 広辞苑で絆の意味を調べてみると…
 1 馬・犬・鷹など、動物をつなぎとめる綱
 2 断つにしのびない恩愛。離れがたい情実。ほだし。係累。繋縛。
    あらら、絆の第一の意味は、「動物をつなぎとめる綱」。「綱」でしたか。
      それが転じて、第二の意味ができた。

 本家筋の中国語では、「絆」は、「邪魔をする」「束縛」という意味。中国では、よくない意味だったんだあ!
 日本語の意味でも、「ほだし」は、「人の身体の自由を束縛するもの」ですから、よい意味とは言えませんがね。

 だから何なんだ!絆を批判するのか?って?
 家族や友人を失い、家を失い、古里の風景を失って、それでもなお去りがたい思いによって人を故郷につなぎとめるもの。 そういう感情が「絆」ですよね。絆の批判などしませんから。

「絆」を手書きするとき、旁(つくり)をどう書きますか?「半」ではないような…?
「判、伴、畔…」これらの旁は、「半」です。
 しかし、「絆、袢、胖、拌、叛」の旁は、半の上部左右の点が、カタカナの「ハ」のようになっています。
 判も伴も畔も、元々の旁は、「カタカナのハ」。これが、常用漢字ができて、常用漢字に入れられたものは、旁が「半」となりました。表外漢字(早い話が、常用漢字以外)の旁は、昔のまま(半の上部左右の点が、カタカナの「ハ」)。

 なぜ常用漢字表に入れるときに、「ハ」だった部分を「ソ」にしたか?それについては、正反対の諸説があり…解説不能です。個人的には、「ハ」は末広がりで、縁起がいいと思いますがね。

 手書きの時にどうするか?「絆」と書いてもいいし、旁を「半」にしてもいいです。好きなように書いてください。
 入試で×にならないかって?「キズナという漢字を書け」という問題は、入試には出ません。常用漢字表にない漢字だから。