アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

韓国にできるのだから日本にもできるはず

2011年07月09日 | Weblog
 OECDの学力到達度調査(PISA)の「デジタル読解力」で、韓国が第一位。日本は、ニュージーランド、オーストラリアに次いで、第四位でした。デジタル読解力まで、韓国の後塵を拝するとは。学びの意気込みがちがいますから、出てくる結果にすぐに表れてくる。
 それにしても、韓国は勢いがあります。家電や車は、すでに安定して強い。スポーツも。ゴルフが強い!完全に、日本を越えてしまってます。芸能における日本への攻勢もすさまじい。少女時代にKARA。さらに、男子のユニットが猛攻をかけてきている。韓流ドラマしかり。

 韓国で漢字が通じなくて困った話を書いたことがありますが、40歳未満の人は漢字が解らないと思って間違いないです。1980年代に漢字教育を禁止しましたから。1990年代後半から、漢字復活を求める声が勢いを増し、1998年に漢字復活宣言が発表されています。但し、義務ではないので漢字を教える学校は殆どない。漢字の必要性を感じる韓国人は子供を漢字塾に通わせています。

 それで、韓国では漢字教育をしなくなった代わりに、英語教育に力を入れてきました。その成果として、1996年までは日本同様、「英語がダメな国」だった韓国が、現在TOEIC平均スコアは日本よりも40点も高い。これは水が開きましたね。ゴルフ・芸能・自動車・家電…そして、TOEIC。

 英語ができなければ話にならないことについて、「なぜ?」という質問は今やないでしょう。25年以上も前から私が主張していましたから。
 韓国は、国内総生産の80%以上を海外貿易に頼っています。英語ができないと生きていけない。つまり、韓国にとって英語は「生きる手段」なのです。これ、日本も同じ。ユニクロ、楽天が、「英語公用語化宣言」しましたが、ようやく日本の企業も英語に真剣になってきました。すでに韓国に遅れをとっているけどね。

 韓国ではいまや、「競争相手は韓国内ではなく、ドイツや日本など海外勢」との意識が強いです。例えばサムスンの場合、競争相手はLG電子ではなく、ドイツのシーメンスや日本の日立製作所・ソニーです。サムスンの幹部社員から、「金の栞」を頂戴した私が言っているのですから間違いありません。国際的な英語力の指標となるTOEICのニーズが高まっているのも当然なのです。
 
 日本の小学校で、英語(外国語と呼んでいる)の必修化が始まりました。このことについて、私は批判的な見解を発表してきました。
 「英語ができないと生き残れない」という論調なのに、なぜ小学校での英語の必修化に批判的か?これまでいろいろ書いてきましたが、「英語が重要」であることについては間違いありません。英語教育の内容がダメと言っているのです。 韓国のように本気で、「国を挙げて英語力強化に取り組んでいる」とはとても思えない。ALTを招聘して、英語に親しむゲームをやって満足している。甘いです。勝負になるはずがない。

 韓国の小学校・中学校の英語教育の内容も驚くばかりですが、親たちも必死です。どのようにして我が子に英語をマスターさせようとしているか?
 父親は韓国で働き、母親は子供を連れてアメリカへ渡ります。数年アメリカで小学校・中学校へ通っているうちに英語を覚えます。これほどまでに頑張っているのです。日本の親でも、我が子をアメリカへ行かせる人がおりますが、数は韓国の比ではありません。

 「大切なのは、TOEICのスコアではなく、国際人の育成だろう!」…これは正しいです。だけど、国旗・国歌を満足に教えない国に、国際人を育てられますか?だったら、とりあえずTOEICのスコアを上げることを考えたらいいんじゃないの!
 それにしても、韓国のハングリー精神に基づく各分野での頑張りは素晴らしい。…韓国に出来て日本に出来ないはずはないと思うのですが…。