アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

民主化のキーワードは露天商…?

2011年07月01日 | Weblog
 日本人の記憶にはまだ新しいと思いますが・・・6月10日から12日まで3夜連続で、中国広東省・広州近郊の町(新塘)で治安要員の暴力に激怒した出稼ぎ労働者(民工)らによる大規模な暴動が発生、群衆が地元警察署や警察車両に放火するなどしました。
 新塘中心部には、少なくとも数千人が集まり、警察車両など20台以上を燃やしたほか、地元行政施設などに火炎瓶や石を投げつけた。若者たちは「地元政府に搾取されている」と、日頃の不満もぶつけている。

 これって、大変なことです。広州には友人のジャンボ氏がいるので、巻きこまれて大変な目に遭っているのではないかと思い、お見舞いのメールをしました。 返信のメールには…
 「えぇーっつ!そんなことあったの?こちらは全く平穏だよ。会社で中国人社員に聞いても、誰もそんなことは知らなかったけどね。いずれにしろ、まずいことは隠す国ですから、そういうニュースは外信頼りです」

 ま、これが中国という国の実態です。テレビ報道でも、国家に不都合な場面は、「吹雪(画面を、ザーっと見えなくしてしまう。アナログのテレビはこうなりますよというアレ)」にしてしまいますから。

 この暴動は、四川省から来た妊娠中の露天商女性(20歳…20歳の女性露天商というのも、現在の日本では非日常)に、治安要員が暴力を振るったことに端を発している。近くにいた四川省出身の民工らが抗議した。新塘には四川出身者が約10万人いるというから…。10万人が暴れたら、なかなか大変。

 この事件、何か思い出しませんか?ムハンマド・ブアジジですよ!もう忘れた?時代の流れは速いですからしょうがないです。ただ…まだ半年前の話ですけどね。
 ブアジジはチュニジア内陸部の地方に生まれた。父親は、彼が3歳の時に亡くなった。母は父の弟と再婚(日本でも、昔はこのようなことが多かったです。ブアジジには6人の弟妹がいる)。
 義父が病弱のため(あるんだよなあ、こうゆうこと…)一家の生計はブアジジの肩にかかり、10代からさまざまな仕事をした。若者の失業率30%の国ですから、ブアジジにも当然定職はなく、雑貨や果物や野菜を仕入れ、それを手押し車で売り歩く露天商を始めた。(1カ月約140ドル相当の収入というから、1日約370円ということ。この収入で、妹の1人を大学に行かせることが出来たという)
 そしてその日が訪れた…12月17日、ブアジジは前借りで仕入れた200ドル相当の雑貨を売り歩いていた。露天商…。警官がワイロほしさに販売許可証の提示をを求めた。そんなお金は、ブアジジにはなかった。警官は雑貨を押収。助けを求めに飛び込んだお役所にも黙殺された。絶望して役所前の道路でガソリンをかぶって火をつけた。
 焼身自殺の映像が国内を回り、中東の民主革命が始まった。

 四川省出身の20歳で妊婦の露天商と、チュニジア内陸部の露天商ブアジジは…同じように感じるのですが。ネットやツイッターが支配するグローバル時代、独裁国家や権威主義的体制の国が恐れるのは…、露天商!おっと、露天商ではなく、虐げられた民衆です。

 いよいよ、広州から中国民主革命勃発か!その心配は、いりません。もうすでに鎮圧されております…。