「土恋」 津村節子
新潟で代々続く窯元へ嫁いだ女性の物語。
戦後、シベリアから戻ったという、
窯元の跡取り息子と見合いをしたみほは、
窯元での暮らしを理解せずに嫁に入るのだが、思っていたよりも不安定な収入で、生活は苦しく、借金を背負うことになる。
陶器を焼くための薪も買えない状態で、
おまけに、詐欺にもあい、散々な日々。。。
それでも、みほは、
自分の着物を売って生活費をやりくりし、
夫を励ますのだった。
何をしても裏目に出る不運な夫婦だったが、
それでも、少しずつ道が開けていく。
実際にモデルがあって、それを基本にしているので、
陶芸の創作過程も詳しく描かれているし、
戦後の人々の暮らしや、新潟の風景も織り込まれ、
不幸な出来事から、立ち上がっていく2人の姿が、心に迫ってくる。
陶芸への愛、家族への愛が描かれ、美しい物語だと思った。
ほっと一息入れる時は、やっぱりコーヒーがいいな。。。
豆を挽いた時に、鼻腔をくすぐる、この香り。。。
ポットからお湯を注いで、粉が膨らむのを待つ時間。。。
部屋中に立ち込めるこの香り。。。
1日に5杯以上は飲みます。
朝、昼、3時の休憩、夕食後、夜のくつろぎタイム。。。など。
お気に入りは、「シュラブ」のコーヒー。
以前、コーヒーの入れ方を教えていただいた
先生のお店で販売されているもので、
コーヒー農園直送だから新鮮で美味しい♪
通販を利用して、今回はこちらの2種を購入。
左は、熟度の高い甘いコーヒー。
右はナッツフレーバーを漂わせ、濃厚なコクがあります。
(と、書いてあります)
「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」 あせごのまん
日本ホラー小説大賞短編賞受賞作
僕は、もうすぐ31歳になる。
昨夜、彼女にふられてしまい、
そして、今朝、仕事もやめた。
そんな時、前を歩いていた女性の、
色っぽいお尻に魅せられて、
ついつい、後をつけてしまったのだが、
偶然にも、彼女は、
同級生だった・服部ヒロシの姉のサトさんだった。
言い訳がましく、ヒロシに会いに来たと言ってしまった僕。ヒロシなら、すぐ帰るから、風呂にでも入って待っていたら、と勧められ、そこで彼が見たものは。。。緑色の張りぼての風呂桶。
そこに、裸のサトさんも入って来て、僕は、不思議で異様な体験をすることになる。
文化祭で使った、張りぼての風呂桶、
そんなお湯のない風呂桶で、身体を洗う?2人。。。
なにやってんの?!と、想像するだけで、笑える。。。
でも、これはホラーじゃなかったっけ?と思いつつ読み進むと、
確かに、ばかばかしい中にも怖さを感じる。
サトさんが用意してくれる不思議な食事の実態を知った時。。。
魚の目を切り取って神経を取り出すシーン。。。
庭の樹に吊り下げられてる緑の物体の正体を知った時。。。
など、さまざまなシーンで「ぎゃ!!」と叫びたくなる。。。
この本には4編が収録されているが、
意外な結末としては「克己さんがいる」が面白かった。
ん?ん?と読み勧めると、ふーん、、、そうだったのかぁ。。。って。
好き嫌いが別れる作品かも。。。
よくおじゃまするココアさんのブログで、
塩の話題が出てたので、
私のお気に入りの塩も、紹介しちゃおうかなぁ。。。
石垣島で買った「蘭の塩」です。
そう、蘭の花が入っているので、ピンク色で、
とってもキレイで、食欲をそそられます。
サラダにひとふり、おにぎりにしてもいいし、
使い道はいろいろあって、楽しめます。
今夜は、イカの天ぷらにしたから、この塩でいただきました。
★「チュ-イングボーン」 大山尚利 読みました。
「列車の最前列から3度、外の景色を撮影して欲しい」
原戸登は大学時代の同級生・嶋田里美から
奇妙なビデオ撮影を依頼された。
だが、登るが撮影をするたびに人身事故が起こる。。。
これは偶然か?それとも。。。。
この死の連鎖に秘められた恐るべき真相とは?
大学を卒業して、アルバイトで生活をしている登。
彼の中途半端さや、そんな日々に悶々とする悩み、
そして、とらえどころの無い狂気が、現代の若者をあらわしているようで、
ちょっと、ゾッとするのだが、それが、よけいにリアルさを出していて、
恐怖がじわじわと迫り来る感じがする。
作家・林真理子が、純文学としても読める、と言ったのに、納得。
誰の身にも起こりそうな恐怖が、登を通して伝わってくる描写が、
うまく濃厚に描かれている。