★「チュ-イングボーン」 大山尚利 読みました。
「列車の最前列から3度、外の景色を撮影して欲しい」
原戸登は大学時代の同級生・嶋田里美から
奇妙なビデオ撮影を依頼された。
だが、登るが撮影をするたびに人身事故が起こる。。。
これは偶然か?それとも。。。。
この死の連鎖に秘められた恐るべき真相とは?
大学を卒業して、アルバイトで生活をしている登。
彼の中途半端さや、そんな日々に悶々とする悩み、
そして、とらえどころの無い狂気が、現代の若者をあらわしているようで、
ちょっと、ゾッとするのだが、それが、よけいにリアルさを出していて、
恐怖がじわじわと迫り来る感じがする。
作家・林真理子が、純文学としても読める、と言ったのに、納得。
誰の身にも起こりそうな恐怖が、登を通して伝わってくる描写が、
うまく濃厚に描かれている。