信じてたのに

夕方にはまだ早い時刻に仕事から帰った。実際には一度家に戻って昼寝して再度出たらもうすることも無くなっていたのですぐ帰ってきた。まだアパートの前の通りでベビーシッターさんがピサンゴレンなどを売るテントを広げていたのでたまにはと思って2リンギット分だけ買った。

今日も仕事だったの?!　そうなんだよ。仕方ないことでね。　そう、私は王様の誕生日だからみんなお休みだと信じてたのよ。　そうだね、自分もそう信じたかったんだけど...

と言ってピサンゴレンの入ったビニル袋を受け取った。


夜になってプールサイド・カフェでチキン・カレーを食べることにした。オーナーは中国系だから中華料理中心のメニューで、だから中華風のカレーが出てくると信じていると実はそうでもない。実際に調理をしているのがタイから来た人達なのでカレーはタイ料理なのだ。ココナツミルクの多く入ったこのカレーは口の中でトロリとしてなかなかだ。マレー料理にもインド料理にもこう言う味は無いので嬉しい。そしてこのカフェの中国茶はありがたいことになぜかプーアール茶だ。



仕事のために来た我々日本人は、日本でこうして出来たのだからマレーシアでもだいたい同じようにすれば仕事は上手くいくと思っている。でもそう思ってそれを実現しようとしてもマレーシアでは上手くはいかない。マレーシアでは日本のように良い道具も手に入らないことが多いし、個人の仕事に対する考え方、仕事の構成の仕方、人材の集め方など何もかも違う。そしてきっと多くの日本人はマレーシア人が日本人ほど勤勉ではなく、悪い言い方をしてしまえば怠け者だと信じている事も手伝って、思うように仕事を進められなくなるかもしれない。つまりどうしたら何ができて、どうしたら誰が動くかがわからないのだ。

あまりいろいろな事を信じ込みすぎてしまっていることは何事にも支障をきたすだろう。