日本では絶対聞かないものだ。この豆はバターか何かで煎っている。挽く前の豆は表面に飴が付いたようにテカテカしている。煎れる前の豆の香りはとても甘い。多分ベトナムコーヒーと似たような煎り方なのだと思われる。飲むと深煎りなので酸味が少なくて甘くしなくても飲みやすいし香りも良い。もちろん甘くせず飲むマレーシア人はほとんどいないと思うけれども。
だた、挽いてもらうと細かくしすぎるので紙フィルタの目が詰まってなかなか落ちてこないと言う欠点はある。次回は少し荒く挽いてもらうことにしよう。
最近いただいたメールに桜の情報が入るのはさすがに日本ならではでしょうか。ひばりが丘の桜は満開、小倉城はもう葉桜になりつつあるそうですね。情報ありがとうございます。
マレーシアに持ち込まれた大手日本企業のカレンダーも3月4月分の写真も非現実的に見えるほどの満開の桜だった。先日のマレーシアの英語の新聞にも日本の桜の写真が1面に掲載されていてそのひと時の浮き立つような感覚を伝えている。
桜と言えばそう言うまさに華やかなものなわけだけれども、同時にいつもとても不思議に思うものでもある。(ずっと前に同じような事を書いたようにも思うが、歳をとると何度も同じことを言うようになるものなのだ。そこは許してもらうしかない。)
何が不思議かと言うと、あの黒っぽい表面がガサガサな木からいきなりピンクの花が飛び出すのが不思議で仕方が無い。もちろん桜に限らずどの花でも花と言うものはそんなもので、茶褐色や緑色の幹からいきなり赤、黄、青、紫、さらにとんでも無いのでは何色も混じったマダラやグラデーションまで施したような色の花が出てくるのだ。
試しに枝を折ってみてもそこには大概、木の白っぽい色か緑色しか見えないわけで、その先っぽに付いている赤や黄色や紫は見ることができない。そうするとヤツらはその先っぽに何か仕掛けをして赤や青や紫や黄色やマダラを作っているに違いない。その仕掛けはかなり細かなもので、枝の途中でその色を徐々に作り出して濃縮したものを出しているようなものではない。何しろ突然なのだ。何と巧妙で不思議な事をヤツらはしているのだろうと思う。
そんなの当然だろう、と言われると思います。
そう、本当にそれは何故か当然なのです。
思い返せば保育園の頃(かなり昔だ)、画用紙とクレヨンを与えられてお花を描きましょうみたいな時間がけっこう多くあった。少しづつ上手く描こうと思い何回も何回も描いていた。そして何時しか緑の葉と茎のチューリップから赤い花が咲くのは全く不思議でも何でもなくなっていた。その他の花についても同様で何故かその華やかな色があの先端から出てくるのは普通の事になっていた。
それが教育ってものの1つの効果でもあるだろう。これはこうして当然で、あれはああで当然。桜は4月に満開になるし栗は秋に食べられるしヒマワリは太陽を追いかけるし朝顔は秋になる前に必ず枯れる。そんなの全然不思議じゃない。パッパパラリラぴーひょろぴーひょろなのだ。
最近はそんな事ばかりじゃなくて何も線が繋がっていないのに遠くの誰かと話ができる機械をみんな持っていたり、中に人が入っていないのに誰かが演技や踊りまで見せてくれる(最近はかなり薄手の)箱がどの家にも置いてあったりと言うのが全然不思議でも何でもなくてパッパパラリラぴーひょろぴーひょろなのだ。
でもやっぱり本当は不思議ではあるのだと思う。桜の季節は終わっても不思議の季節は終わらないのである。
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