温泉クンの旅日記

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明月院、初夏の紫陽花

2019-06-30 | 鎌倉点描
  <明月院、初夏の紫陽花>

 あれれ、浴衣を着ているひとが多いぞ・・・。

 

「なんですかい、この先で祭りでもやっているんでござんすかい?」
 へぇ、なに、もうちいと歩けばぴいひゃらどんと笛太鼓が聞こえてくるでごぜえますよ、と応えてくれる。(くれないって!)
 
 向こうから歩いてくる人にそう訊きたいほど、明月院(めいげついん)への小路は人で溢れかえっている。
 なるたけ梅雨空っぽい日の空いてそうな時間帯を選び、出掛けてきてこの始末である。

 

 総門への狭い階段を昇り、紫陽花が咲くときだけちゃっかり値上げする拝観料を支払う。手入れの楽な紫陽花というのに、商売商売、ずらり五百円玉の行列だ。
 この混雑では心静かに参拝ともいくまい。あじさい寺(明月院)の縁起とか歴史は次の機会として、紫陽花一本に絞るとしよう。

 

 

 鎌倉は入り組んだ丘陵のような地形である。
 明月院も状況は同じ。

 

 総門から本堂までの狭い斜面に、工夫されたうねうねとした坂径を配している。そこをゾロゾロといった感じで紫陽花を観賞しつつ昇っていくのである。

 

 ヒメアジサイといわれる日本古来の品種で二千五百株あるといわれている。

 

 明月院あたりの土壌からくる濃い青色は「明月院ブルー」と言われている。龍泉洞の地底湖の吸いこまれそうな透明な水を「ドラゴンブルー」とたしかいってたな。

 

 黄色が混じった青い紫陽花も意外と綺麗である。そういえば京都の山奥の檀家のいない寺が紫陽花浮かべた花手水が話題になって参拝客を四、五倍増やしたという。
 たまに赤いのも、青ばかり見慣れていたので極めて新鮮だ。

 

 開山堂脇にあった「花想い地蔵」。

 

  「人は離れても はかない花の思い出の中に生きています
   大切な人との別れ いとおしい物との別れ
   そんな時 ふと目に止まった花が
   どんなにか心を慰めてくれたことでしょうか
   いつくしみ深き花地蔵」
 
 と、地蔵横に書かれていた。地蔵はいつも季節の花を抱えているそうである。

 

 本堂左側にはご朱印を求める参拝者の列ができていた。「待ち時間三十分」と書かれた紙が出ているが、空いているのか混んでいるのか興味がないのでさっぱりわからない。
 本堂の右手に、「悟りの窓」呼ばれる円窓がある部屋がある。

 

 円窓を通して観る本堂後庭園の景色はまさに息を呑む味わいがあるのだ。紫陽花の次に撮りたかった窓なのだが、有名ラーメン店みたいな長い行列ができていて早々にあきらめる。

 湿気のせいだろうか、本堂に辿りついたころから汗が止まらなくなった。あまり汗をかかないほうだが、郡上八幡で一度、汗腺が崩壊した経験がある。あれにちょっと近いな。

 厭な汗が止まらず、入りやすそうで手頃な喫茶店もないので帰路につくことにした。洒落た茶店より、冷房ガンガンの横須賀線に飛び乗り冷え冷えのミネラルウォーターがぶ飲みが一番だろう。
 この初夏の明月院で鎌倉歩きをいったん休み、秋になって涼しくなったら再開するとしよう。




   →「龍泉洞」の記事はこちら

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