温泉クンの旅日記

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大船フラワーセンター、弥生3月(2)

2021-03-17 | 鎌倉点描
  <大船フラワーセンター、弥生3月(2)>

 右手奥にあるグリーンハウスを次の機会にしようと飛ばして、約四十種類の梅の木があるという梅園に向かった。

 

「梅は百花の魁(さきがけ)」といい、年初、あらゆる花の先頭を切って馥郁たる香りをともなって春を告げる。
 いまや花といえば「桜」が主流であるが、花といえば梅、という時代は長かったのだ。梅が桜にとってかわったのは平安時代に入ってからだそうである。

 

「歳寒三友<さいかん(の)さんゆう>」、厳冬の時期に友とすべき三つのものは「松・竹・梅」もしくは「梅・水仙・竹」ともいわれる。清楚な画材の「三清(さんせい)」とは「梅・水仙・竹」のことを、同じく画材の「三君(さんくん)」とは「梅・水仙・沈丁花」である。
 女の子のお宮参りの着物に用いられるめでたい文様である「四君子(しくんし)」とは『蘭(春)、竹(夏)、菊(秋)、梅(冬)』のことで、四種の草木を指し、四季を表す。
 そのいずれにも、人を和ませる“梅”が入っているのがさすがに天晴れで、面白い。

 梅が散る「惜梅(せきばい)」にはまだもうほんのすこしの間があるようである。

 
 
 平安時代に編纂された「後拾遺和歌集」に載る、至高の花を詠った中原致時(なかはらのむねとき)の和歌がある。

   「梅が香を 桜の花ににほわせて 柳が枝にさかせてしがな
  (梅のよい香りを桜の花に匂わせて、しなやかな柳の枝に咲かせたい、の意)

 

 しだれ梅にぴったりくる歌である。

 さすがに遅咲きの梅とあって、思ったとおり少なかったがまあ満足できた。
 さて、次だ。早咲きの桜を求めて園内の奥に進む。というか正味な話は喫煙場所を目指してである

 

 

「梅は香りに桜は花」というが、どちらも可愛くて美しくて、素晴らしい。
 どちらも愛でられる今日は、俗にいう「両手に花」の状態だ。まあ果報者といえるが、真に残念なことに両手に美人のオネーチャンではない。

 

 

 桜の開花には「600度の法則」というのがあるそうだ。
 2月1日からの<最高気温>を足していき、その合計が600度になったころに桜(ソメイヨシノ)は開花するそうで、「600度の法則」の誤差はなんとわずか1日というから精度は高い。<平均気温>を足していく「400度の法則」というのもあるから面白い。

 

 

 ちなみに「600度の法則」によると、2021年の開花予測は東京で3月14日、ということはこの記事がリリースされる今週の末から来週にかけて大船でも満開になるはずだ。


  ― 続く ―


   →「大船フラワーセンター、弥生3月(1)」の記事はこちら


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