温泉クンの旅日記

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信州で焼きそばパン

2010-04-07 | 食べある記
  <信州で焼きそばパン>


 味と量がわからない蕎麦屋とか、山形の蕎麦屋とかでは必ず普通盛りの蕎麦を注文する。
「ご注文はお決まりになりましたでしょうか」
「ざる蕎麦をひとつ。以上で」



 たけの春・・・ここではわたしは必ず大盛をオーダーすると決めているのだが、今日は普通盛りだ。長野の須坂インターで降り、小布施方面に行く途中の畑のなかにある戸隠蕎麦の店だ。

 わけがある。
 この店から二十分ほど車を走らせたところにあるパン屋に、焼きそばパンを買いにいくのだが、この店の蕎麦も「ゼヒもの」であるのでやはり食べたい。一刻も早くパン屋に駆けつけたいが、それから戻っては中休みに突入しそうな時間帯である。
 しょうがないから、先に蕎麦にした。それに、パン屋も駄目で、戻ったら蕎麦屋も中休みでは泣くに泣けない。たしかに、いつも混んでいる店だがわたし以外にはあと三組だけである。
 せっかくのパンをなるべく美味しくいただくために大盛をやめたのだった。
 
(うぅむ、今回はゲットできるだろうか)
 香りたかい蕎麦茶を飲みながら心配する。今日は日曜でないので営業はしているはずだが、なにしろ限られた数しかつくらないのでこの時間からすると、残っているかどうかが微妙である。しばらくぶりに来たら店内禁煙に変わっていたが、今日は気にならない。



 運ばれたざる蕎麦を、猛スピードでたいらげる。やはり、ここの蕎麦はおいしい。
 お勘定をすませると、車にもどりあたふたと出発した。

 その店は、信州高山温泉郷に通じる細い県道(たぶん)沿いにある。山田温泉か蕨温泉を目指せば途中の右手にみつかるはずだ。
 店の名前は「清水ベーカリー」である。



 ロケーションは田舎だが、パンの味は都会の有名パン屋に引けをとらない、ハイレベルである。場所柄、お洒落なパンより惣菜パンとか食パンとかがメインだ。
 ご主人がパンをつくり、奥さんが売る、そんな小さな店だ。
 パンをひとくち食べてみれば、つくり手は只者ではない、と実感するだろう。きっとどこかの名店で修行し免許皆伝の腕を持っているな。そのように思えるのだ。


 
「あった! 最後の一個だ」
 ラッキー! 残っていた焼きそばパンをみて、思わず声に出してしまう。
 十年ぶりの再会だ。駆けつけても休みだったり、売り切れていたりでなかなか手にはいらないことがたびたびだった。
 ほかに、コロッケパンとハムカツパンもあったので、夜食用にコロッケパンも一個追加する。あわせて二百五十円也。安い。



 これが、その焼きそばパン・・・だ。
 小ぶりのいかにも可愛らしいパンだ。
 ぎっしりとはいっている具の焼きそばはシンプルそのもので、味付けも濃くはない。だが、しっかりしっとり味はついている。



 噛むと、まずパンのふっくらした柔らかさに驚く。
ふっくらふんわりしたパンで、具の焼きそばが引き立つ食感である。それをアクセントの紅しょうがのサクサク感が追いかけてくる。
 パクパクいける。とまらない美味しさである。

 わたしは、惣菜パンではカレーパンと焼きそばパンが大好きである。カレーパンはひとそれぞれ好みが変わるので、ここのが一番、といいにくいものがある。
 そういえば中央道経由で来たのですが、双葉サービスエリアでのお楽しみのやきそばボールは、製造中止になっていました。ナポリタンボールもです。がっかりです。

 焼きそばパンをおいている店は、カレーパンほどはみかけない。コンビニなどの焼きそばパンはまず具の味つけが濃く、いろいろはいりすぎていて食感もまとまらず、電子レンジで温めないとパン自体が硬い。
 ここの店のは、完成された一体感があるのである。

 ひそかに、ここの焼きそばパンが日本で一番うまいと思っている。
 ちなみに、ほかのパンもどれも旨いのだ。
 先にまっすぐここにきて品揃えが豊富なうちにパンを買って、それから「たけの春」で蕎麦を食べる、そんなコースもいいかもしれない。


  →「戸隠手打そば処 たけの春」の記事はこちら
  →「やきそばボール」の記事はこちら

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