温泉クンの旅日記

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会津さざえ堂

2020-10-04 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <会津さざえ堂>

「なんて面妖な建物・・・横から眺めると、まさに奇妙奇天烈だ」

 

 飯盛山に建てられた、高さ16.5メートル、六角三層の仏堂である。特殊な外観から「会津栄螺(さざえ)堂」と呼ばれる。

 

 江戸後期の寛政八年(1796年)に建てられた、世界に唯一の二重螺旋スロープ構造の国重要文化財の木造建築物である。拝観料四百円とは安い。

 

 

 明治に廃寺されたが飯盛山に当時「正宗寺(しょうそうじ)」があり、その住職「郁堂(いくどう)禅師」が考案したといわれ、独創的で、天才的な創造と評価されている。考案者もスゴイが実際に建てた大工も天才的である。
 なんと、異国であるフランスのシャンボール城にある二重螺旋階段を設計した、レオナルド・ダ・ヴィンチが考案したという説もあるとか。

 

 独特な二重螺旋に沿って西国三十三観音像が安置してあり、参拝者は堂をお参りすることで三十三観音参りができるという。

 

 上りと下りが別の一方通行の不思議な通路になっていて、参拝者はすれ違うことがまったくない。

 

 堂の正式名称「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」というのは、三十三の観音札所を一カ所に集約して、上りに「一回転半」、下りに「一回転半」、合計三回転しながら観音様を「匝(めぐる)」ことからきている。

 

 明治の「神仏分離令」によって三十三観音像は取り外され、いったん白虎隊十九士の霊像が安置、そののち会津藩八代藩主松平容敬(かたたか)の絵額が掲げられ現在に至っている。
 江戸後期、各地の札所をお参りすることは庶民の夢だったこともあり、全国各地にさざえ堂と呼ばれる建物が建てられた。現存するのが群馬・太田の「曹源寺さざえ堂」、埼玉・本庄の「成身院さざえ堂」などがあるが、構造は異なる。

 会津若松の東にある、標高314メートルの城下を一望できるここ飯盛山は、白虎隊自刃の地として知られている。さざえ堂だけ観てこのまま帰るわけにはいかない。

 慶応四年の戊辰戦争のとき、年齢が十六~十七歳少年で編成された白虎士中二番隊は、猪苗代から十六橋を越えて進撃した西軍と戸の口原で交戦、敵の軍事力に圧倒されて退き、滝沢峠の間道を通り、戸の口堰の洞門をくぐり飯盛山に辿りつく。

 

 鶴ヶ城の天守閣は黒煙のなかに見え隠れして、玉砕か帰城かを巡って激論を戦わす。

 

 

「誤って敵に捕らえられ屈辱を受けるようなことがあれば、主君に対して大変申し訳なく、祖先に対しても申し訳ない。この場は潔く自刃し、武士の本分を明らかにするべき」との決断に全員が同意し、一同列座し、鶴ヶ城に向かい訣別の意を表し全員が自刃した。(後に一名が蘇生) 
 鶴ヶ城開城はその一カ月後であった。

 

 標高は低くても石段の登り降りはけっこうきついものがある。ワシまだまだ若いかんね、などと格好付けずに登りには「飯盛山動く坂道(250円)」を利用した方が賢いと思う。

 

 飯盛山の会津さざえ堂、一見の価値あり。
 さてさて、明日は早起きして喜多方だ。
 さざえ堂は一種のカモフラージュみたいなもの。牛乳屋食堂で会津ラーメンとか、喜多方で朝ラ―食べたくて会津に旅した、はいかにも馬鹿っぽく人聞きがちょいと悪いのでね。
 そういえば、津軽そばと十三湖のしじみラーメンを目指したときは、弘前と竜飛岬をフェイクの目的地にしたっけか。


  →「牛乳屋食堂と芦ノ牧温泉駅(1)」の記事はこちら
  →「喜多方で念願の朝ラ―」の記事はこちら
  →「十三湖、しじみラーメン」の記事はこちら

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (pooh)
2020-10-04 14:28:11
こんにちは。
さざえ堂、知らない間に降りてきますよね。
一度しか行ったことがないのですが、良かったです。
飯盛山では土産物店のガイドさんが一緒に歩いてくれたんですが
戸ノ口堰洞穴がすごく印象に残っています。
見つからないように長さ150mの冷たい水の流れる洞穴を
怪我をしてるのに逃げてきたんですよね。
もう一度、訪れたい所の場所の1つです。
明日はどこのラーメンでしょうか。
楽しみです。
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Unknown (温泉クン)
2020-10-05 08:24:20
pooh様
コメント、いつもありがとうございます。

何度も訪れている会津若松ですが、飯盛山は初めて。
なにしろ温泉メインの旅が長かったので、観光は二の次だったのです。

(なぜかこのブログはラーメン系のコメントが多いんだよね・・・)
ラーメンですか・・・
では近いうちに「函館塩」か「室蘭味噌」でも書くとしますか。
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