温泉クンの旅日記

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喜多方で念願の朝ラ―

2020-09-06 | 食べある記
  <喜多方で念願の朝ラ―>

 喜多方――。

 

 おっと、見っけ。あの店だ! 少し道に迷ったがたどり着いた。喜多方市役所の裏側にあたる場所だった。

 

「満古登(まこと)」とこちらが正式な店名だろう漢字表記の暖簾が掛かっていて、コロナ禍でも本日は平常通りに営業していた。思わず腕時計をみると、朝8時を数分過ぎたところである。
 6時前は明け方、早朝といい、“朝”とは6時から9時まで、9時を過ぎれば昼前、11時を過ぎれば昼ごろとなる。だもんだはんで、8時ちょい過ぎなら、これはもう立派なピカピカの「朝」だ。
 喜多方に来るたびにいっている、お気に入りの「松食堂」は朝の10時30分からと朝ラ―の時間帯には遅いので、選択肢から脱落だった。

 

 右の入口は座敷席のようなので、暖簾をかきわけて左側の入口から店内へ入る。
 右側に三卓、厨房に近い左側に二卓のテーブル席があった。

 

 

 空いている左側の奥のテーブル席に陣取った。
 後ろの囲炉裏で小さめのおにぎりを焼いている。

 

(会津らしく、カツ丼とか玉子丼など、飯物もあるんだ・・・)

 

 壁の大きなメニューをじっくり見てから、決めていた中華そばを注文する。丼物では朝ラーにならないし。

 よし、ついに“喜多方で朝ラ―”を食べられるのだ。ようやく念願が叶ったぞ。
 ま、なんて可愛い願いなの、と笑わば笑え。夢はでっかく、願いはしこたま持て、じゃ。なに朝ラーは誰にも言ったことはない。
 朝ラーだが会津では喜多方、静岡では藤枝(焼津・島田)が発祥とされている。

 横浜から喜多方で朝ラ―しようと思っても、その日は絶対無理で、といって徹夜走りも無謀でいかにも格好悪い。だから必然として喜多方近辺泊まりとなる。朝食が決まっている以上、素泊まりがほぼ絶対条件の縛り。B&B泊(一泊朝食付き)派の温泉好きなわたしなので、なかなか条件が合わなかった。
 だいたい旅先では食べたいと決めた昼メシでさえ難しいのだ。

 文字通りの空きっ腹で飢えたわたしは狼なみの待機状態であった。囲炉裏で焼かれるおにぎりから漂ってくる、香ばしい醤油の匂いで食欲中枢を刺激され気絶しそうになっていると、ようやくラーメンが到着した。

 

 置かれた丼の景色だが具がチャーシュー、メンマ、葱とシンプルそのもので、まさに好みである。
 鶏ガラをベースにした醤油味のスープで、わりと透きとおっている。豚骨の風味も少し感じるが、とにかく奥深く滋味あふれる味で、絶品だ。温泉でも同じように濁り湯でなく、一見湧き水のように澄んでいるけれど効能豊かでパンチもある、というのに似ている。
 さすがは昭和22年(1947年)創業の老舗の味だ。まこと食堂は、ルーツである源来軒を別格とすると、坂内食堂とともに喜多方の二横綱と称されている。

 

 絶品スープは米沢ラーメン以来の久々だ。
 喜多方独特の中太平打ちのもちもちした縮れ熟成多加水麺でも旨いが、支那そば系のスープの絡みやすい細縮れ麺で試してみたくなるスープであった。
 もう少し食べたいくらいが適量というものだ。さて、食後の珈琲に煙草といこう。

 

 喜多方駅のすぐそばにある喫茶店「煉瓦」である。

 

 ガラスドアを押して入り立ち止まり、ここは喫煙可能のはずだが念のため「ここ煙草吸えますか」と確認する。席に座り、煙草に火を点け、運ばれたアイスコーヒーを味わう。

 

 量も味も、とにかく大満足の朝ラーだった。
 それにしてもだ。次に来たときは松食堂にするかまこと食堂にするかかなり悩みそうであるわい。あの焼きおにぎりを一個食べたかったな。



  →「喜多方ラーメン」の記事はこちら
  →「絶品だったぞ、米沢ラーメン」の記事はこちら
  →「朝ラ―、エーイッ! ついでに昼ラ―」の記事はこちら
  →「日中温泉」の記事はこちら


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