<続・蕎麦 ろ>
さて、久しぶりだからなににしようか・・・。
なにしろ十年ぶりくらいの「蕎麦 ろ」である。今回はメニューをじっくりと点検することにした。

車で酒が呑めないから酒類、季節の一品料理、魚介系の刺身や揚げ物などのメニューは一切無視だ。デザートもみない。

開店時間の十一時半ちょっと前に駐車場に入っていくと、すでに六台ほどがとめられていて、なかで客が行儀よく待機していて驚いた。
庭の瑞々しい青葉をつけた木々もしばらくぶりのせいかだいぶ大きくなったような気がする。


開店すると、六台のうち五台が予約客で、予約なしは女性客二人とわたしだけだった。予約すればよかったか。でもこの店には客間があちこちあるので、まあだいじょうぶだろう。


レジ横のソファで待たされ、しばらくして通されたのはいつもの庭に面した広間だが、座敷席だったはずが椅子とテーブル席に変わっていたのであった。


あのいつも食べている「せいろ」がいまだに五百円とは、なんということだ。東京なら七百円はとるくらいのかなり上物のせいろである。この店はさすがすごい。
この雰囲気で、せいろが五百円で食べられるのがとにかく素晴らしい・・・のであるが、たまには趣向を変えたい。なんにするか。
そばがきもあるが、最近、極上のものを食べたばかりなのでここのが「マサカのがっかりもの」だったりするといけないのでやめておこう。
そうだ、とろろで食べた温麺が絶品だった・・・から、そばとろにしてみようと決めた。
落ちつける静かな店内には、いつものように洒落たバーにピッタリくるようなムードあるジャズが流れている。
「あのォ、すみません! この鴨だけど臭みがひどくてこんないい蕎麦につけて食べる気もしない。普通の蕎麦つゆのほうがマシだから、もらえませんか」
斜め前に座っているカップルの中年男性が声を荒げた。鴨は熱を通し過ぎると肉が固くなってしまう。レアの状態が美味しいのだがそうすると少し臭みが残ってしまったりするのである。
この店より格上の蕎麦屋でいつも鴨南の蕎麦を食べなれているのだろうか。わたしなどは情けないが贅沢な鴨南蕎麦など過去一度も食べたことはない。そんな高い蕎麦を食べるくらいなら特上カルビの焼肉に間違いなく走ってしまうほうだ。(もっともここは千三百円とリーズナブルだが・・・)
待ちかねた「そばとろ」が運ばれてきた。

あいかわらずの、上物の蕎麦である。
さて、とろろはどうか。あらかじめ、とろろは青海苔が散らされたつゆの底に入っているようだ。底に沈んだとろろを、蕎麦で掬うようにからめてから啜りこむ。

(旨い!)
白石温麺(うーめん)で、この歳になってとろろに開眼してしまったようだ。ただ、とろろ自体は温麺のときのほうがちょっぴり上モノだったような気がした。
「あら、座敷席でなくなってるわ」
足が不自由なお婆さんが娘さん(たぶん)に連れられてゆっくり入ってきた。「でも、椅子のほうがこの歳になると楽でいいわ。ずいぶん来てなかったのね」と、どっかり腰を降ろしながらいった。
「あ、あたしは天ぷら蕎麦で。温かいやつ」と、迷いがまるでなく入る前から心に決めていたようだった。たいてい女性はあれこれ悩むものだが、たいしたお婆さんだと感心する。
昼になって、だいぶ外の気温があがってきているので、冷たいとろろ蕎麦は大正解だった。
「蕎麦 ろ」は本庄児玉インターから十五分くらい離れているのだが、インター近くに支店の「蕎麦 ら」が開店したそうなので、メニューも値段も同一だそうだから次回はそちらをためしてみたい。

→「上山名物、原口蕎麦」の記事はこちら
→「白石城界隈(2)」の記事はこちら
→「蕎麦 ろ」の記事はこちら
さて、久しぶりだからなににしようか・・・。
なにしろ十年ぶりくらいの「蕎麦 ろ」である。今回はメニューをじっくりと点検することにした。

車で酒が呑めないから酒類、季節の一品料理、魚介系の刺身や揚げ物などのメニューは一切無視だ。デザートもみない。

開店時間の十一時半ちょっと前に駐車場に入っていくと、すでに六台ほどがとめられていて、なかで客が行儀よく待機していて驚いた。
庭の瑞々しい青葉をつけた木々もしばらくぶりのせいかだいぶ大きくなったような気がする。


開店すると、六台のうち五台が予約客で、予約なしは女性客二人とわたしだけだった。予約すればよかったか。でもこの店には客間があちこちあるので、まあだいじょうぶだろう。


レジ横のソファで待たされ、しばらくして通されたのはいつもの庭に面した広間だが、座敷席だったはずが椅子とテーブル席に変わっていたのであった。


あのいつも食べている「せいろ」がいまだに五百円とは、なんということだ。東京なら七百円はとるくらいのかなり上物のせいろである。この店はさすがすごい。
この雰囲気で、せいろが五百円で食べられるのがとにかく素晴らしい・・・のであるが、たまには趣向を変えたい。なんにするか。
そばがきもあるが、最近、極上のものを食べたばかりなのでここのが「マサカのがっかりもの」だったりするといけないのでやめておこう。
そうだ、とろろで食べた温麺が絶品だった・・・から、そばとろにしてみようと決めた。
落ちつける静かな店内には、いつものように洒落たバーにピッタリくるようなムードあるジャズが流れている。
「あのォ、すみません! この鴨だけど臭みがひどくてこんないい蕎麦につけて食べる気もしない。普通の蕎麦つゆのほうがマシだから、もらえませんか」
斜め前に座っているカップルの中年男性が声を荒げた。鴨は熱を通し過ぎると肉が固くなってしまう。レアの状態が美味しいのだがそうすると少し臭みが残ってしまったりするのである。
この店より格上の蕎麦屋でいつも鴨南の蕎麦を食べなれているのだろうか。わたしなどは情けないが贅沢な鴨南蕎麦など過去一度も食べたことはない。そんな高い蕎麦を食べるくらいなら特上カルビの焼肉に間違いなく走ってしまうほうだ。(もっともここは千三百円とリーズナブルだが・・・)
待ちかねた「そばとろ」が運ばれてきた。

あいかわらずの、上物の蕎麦である。
さて、とろろはどうか。あらかじめ、とろろは青海苔が散らされたつゆの底に入っているようだ。底に沈んだとろろを、蕎麦で掬うようにからめてから啜りこむ。

(旨い!)
白石温麺(うーめん)で、この歳になってとろろに開眼してしまったようだ。ただ、とろろ自体は温麺のときのほうがちょっぴり上モノだったような気がした。
「あら、座敷席でなくなってるわ」
足が不自由なお婆さんが娘さん(たぶん)に連れられてゆっくり入ってきた。「でも、椅子のほうがこの歳になると楽でいいわ。ずいぶん来てなかったのね」と、どっかり腰を降ろしながらいった。
「あ、あたしは天ぷら蕎麦で。温かいやつ」と、迷いがまるでなく入る前から心に決めていたようだった。たいてい女性はあれこれ悩むものだが、たいしたお婆さんだと感心する。
昼になって、だいぶ外の気温があがってきているので、冷たいとろろ蕎麦は大正解だった。
「蕎麦 ろ」は本庄児玉インターから十五分くらい離れているのだが、インター近くに支店の「蕎麦 ら」が開店したそうなので、メニューも値段も同一だそうだから次回はそちらをためしてみたい。

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→「白石城界隈(2)」の記事はこちら
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