ニョニョのひとりごと

バイリンガルで詩とコラムを綴っています

青商会フォーラムでも紹介された詩「思う存分召し上がれ」秦勝元

2016-09-19 23:17:03 | 詩・コラム
9月11日の青商会主催の民族フォーラムでもアニメと共に紹介された、文芸同大阪文学部盟員の秦勝元さんの詩をここに掲載いたします。秦さんは40数年の間、民族学校の教壇に立たれた朋友であり、文学仲間です。是非お読みください。

この詩は2010年8月「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」に掲載した作品です。

「思う存分召し上がれ」 

            秦勝元

オモニ オソオセヨ
今日は あなたの 祭祀の日ですよ。

最近 あの言葉を 思い出します
あなたの言った あの言葉です

照り付けるような 夏の暑い日
背中いっぱいの 荷物を 背負い
鉄道は勿論 バスさえ通らぬ 
山奥の農村を 行商に歩いた時

小さなお店で お昼にと
アンパンを買って 食べましたね
乾いたのどに つまった パンを
裏の井戸水を貰い 流し込んで
息が詰まり 死ぬかと思ったと
笑いながら 話してましたね

牛乳飲んだら いいのにと 言う 私に
「とんでもない、もったいない」
驚いた様な大きな眼 忘れられません
そして、こう言ったのです
「この牛乳が 机になり 椅子に なるんだ」と
幼かった私には 理解できませんでした
入学式の日 真新しい机と椅子に 喜んだ時も
まだ 解りませんでした


あなたの あの牛乳が
言葉を教えてくれ
誇りを授けてくれ
生き甲斐を与えてくれたと
知った時は 既に旅立たれた後でした

オモニ
あなたの 学校は 今も 健在ですよ
あなたの 学校は これからも 健在ですよ
たくさんの子供達が育ち 羽ばたいて行きましたよ
自慢の息子は 40年勤め上げましたよ 教師として 
可愛い孫たちも 頑張ってますよ 新しい担い手として
ひ孫達の声が聞こえるでしょう
アヤ、オヨと 学ぶ声が

だから
もう、我慢しなくて 良いんですよ
牛乳でも お酒でも
思う存分 召し上がれ

今日は あなたの チェサの日ですから


オモニ  = 母
オソオセヨ= いらっしゃい
チェサ  = 祭祀
アヤ、オヨ= 日本語でいう、あいうえお




마음껏 드세요

진승원

어머니 어서오세요
오늘은 당신의 제사날입니다

요즘 그 말씀이 떠 오릅니다
당신이 하신 그 말씀입니다

쬐는듯 무더운 여름날
등에 잔뜩 짐을 지고
전철은 몰론 버스도 안지나는
산속농촌을 행상으로 다니셨을 때

자그만 가게에서 점심으로
팥빵을 드셨지요
마른 목에 막힌 빵을
우물물을 받아 넘기시고
목이 메여 죽을번 했다고
웃으시며 마씀 하셨지요

우유를 사 드실걸 그랬다는 날 보고
《무슨 말을, 아까와서…》
놀라신듯 크게 뜨신 눈 못잊습니다
그리고 이리 하시더군요
《이 우유가 책상이 되고 걸상이 된다》고

어린 나에겐 알수가 없었습니다
입학실날
새 책상과 걸상에 기뻐했을 때도
아직 몰랐습니다
당신의 그 우유가
말을 배워주고
긍지를 안겨주고
살 보람을 주었다고
알았을 땐 떠나신 후였습니다

어머니
당신의 학교는 지금도 건재합니다
당신의 학교는 앞으로도 건재할것입니다
많은 아이들이 자라서 날개펴 떠나갔습니다
못난 아들이지만 40년 소임을 다했습니다 교사로서
이뻐하신 손자들도 잘 하고있습니다 새 주인으로서
증손자들의 소리가 들리시지요
아야,어여 부르는 소리가

그러니까
이젠 참지 않아도 되세요
우유랑 술이랑
마음껏 드세요

오늘은
엄마 제사니까요

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